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| フォーマット | CDアルバム |
| 発売日 | 1998年06月20日 |
| 国内/輸入 | 国内 |
| レーベル | Sony |
| 構成数 | 1 |
| パッケージ仕様 | - |
| 規格品番 | SRCL-4288 |
| SKU | 4988009428895 |
構成数 : 1枚
合計収録時間 : 00:45:07

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タイトル曲ともいえる「掌の夏」の煌めくブラス・サウンドから”夏物語”は始まる。ゆったりとしたプロローグだが、降り注ぐ陽射しはどこまでも眩しい。続く自身のペの音色を効果的に使いながら、フレッシュなマンダリン・オレンジの甘酸っぱさを届けてくれている。後半のハーモニカの揺らぎも心地好い。姉妹関係にある「乱反射」と「SHOWER GIRL」は、イントロのフレーズをシンクロさせている。どちらも歌謡曲寄りだが、曲の疾走感と巧みなアレンジが温暖なアルバムのアクセントになっている。囁きかけるように始まるボサ・ノヴァ調の「河口にて」には夏の午後の気だるさが漂っている。ちょっとした休息のようだが、前半の聴きどころだと思っている。レコードのA面ラストの「A DISTANCE」はアルファベットのタイトルなのに、なぜか”和”のテイストを感じてしまう。南国ふうにアレンジされたギターとキーボードの掛け合いが軽快なサウンドは、静かな波にさらわれる。
B面も海の音から始まる。「待ちくたびれて」のウィスパーにまどろんでいると、突然、「熱風」のホイッスルに起こされる。情熱のサンバの始まりだ。カーニバルのパレードが通り過ぎると「午後のプレリュード」が癒してくれる。異国の夏の午後をスケッチしたような小品だが、間奏とエンディングの流れるようなギターが素晴らしい。姉妹曲を挟んで、最後は夏の夜空へと誘ってくれる「星がたり」で、静かに眠りに就こう。
じっくりと”夏のフィーリング”を味わいたいなら、アルバムを最後まで通して聴かなければいけない。残念ながら”続編”はないが、それ故に、このアルバムが太田裕美の”唯一無二の夏の名盤”となっている。