ハードコアやメタルといったヘヴィ・サウンドに、ダブステップやドラムンベース、レイヴといった大胆なエレクトロの要素を組み込み、様々なスタイルをぶち込んだその唯一無二の音像でレイヴmeetsメタル、という新たなジャンルを確立し、社会現象まで巻き起こしていった、UKが生んだ革新的アーティスト、エンター・シカリ。アルバム・デビューを果たす前からその圧倒的なパフォーマンスで大きな注目を集め、以降現在までに5枚のアルバムを発表、ここ日本にも何度も来日し、その人気を確固たるものにする、現代ヘヴィ・ミュージックを語る上で外すことのできない重要アクトだ。
彼らが2009年に発表したセカンド・アルバム『COMMON DREADS』が、発売10周年を記念して、再びアナログ盤として再登場することとなった! 当時は1,000枚限定でアナログ盤が発売され、当然のことながら即完売、その後中古市場において信じられないような高値で取引されており、ファンからも再プレスを要望する声が高まっていたのだが、遂にオフィシャル・アナログ盤が再び世界に届けられることとなるのだ。今回のアナログは、より深みのあるサウンドにするべく、ハーフスピード・カッティング・マスターが採用されている。
2007年のデビュー作『TAKE TO THE SKIES』は、デビュー前の喧噪を証明するかのように全英チャート4位を記録、同年の夏には早くもSUMMER SONIC出演のため初来日を果たし、翌2009年にはPUNKSPRING出演のため再来日、その圧倒的パフォーマンスとサウンドで日本のオーディエンスの度肝を抜いた彼らが、PUNKSPRING出演直後となる2009年6月に発表したのがこの『COMMON DREADS』だ。その独自のサウンド・スタイルをより推し進めたこのアルバムは、KERRANG!誌では5K(最高評価)を、ROCK SOUND誌では10点満点中9点を、そしてULTIMATE GUITAR誌では10点満点中9.3点を獲得するなど、各メディアからも大絶賛を受けた作品。全英チャートでは16位を記録している。
今回のアナログ盤リリースに関して、バンドのフロントマンであるルー・レイノルズはこうコメントしている。 「10年以上、このアルバムのアナログ盤は入手不可能となっていて、正直頼むからもう一度プレスしてくれっていう言葉に飽き飽きしてたんだよな、で、こうしてみんなに届けられるようになったってわけさ」 「真剣な事を言うと、このアルバムをこうやって立ち戻れて、すごく良かったと思ってる。リリースしてから現在までの世界の状況とかを振り返ってみると、このアルバムってのはとても予見的な作品だったような気がするんだ。今日においても俺たちを蝕んでいく重大なグローバル的問題を、この作品dも取り上げているんだ。『TAKE TO THE SKIES』で何を歌っているか分からなかった人にとっては、この『COMMON DREADS』は政治的な声明を発言した最初にのアルバムだって思ってるだろうけど、確かにここまで明白に政治的なコメントを発している、という意味では最初のアルバムだと言えるだろうね。もうここで歌われている内容は現代の状況とはそぐわないから、またアナログ盤でリリースする価値なんてないね、と言いたかったところだけど、残念ながら違ったんだ…」
発売・販売元 提供資料(2019/10/11)
If such a genre as stadium-screamo exists, Enter Shakari is its definitive spokesband, churning out nu-metal riffage and anthemic post-hardcore epics that have made them a major draw in the U.K. On their second album, they expand from their chart-busting debut in subtle ways. The single "Juggernauts" is a dreamy, psychedelic number bookended by explosive electro passages. "Antwerpen" is nothing less than a prog metal journey, as ambitious as it is emotionally volatile. The second single, "No Sleep Tonight," is an emo mini-opera about class warfare that reads like the Jam's "Down in the Tube Station at Midnight" from the muggers' point of view. The album as a whole is an imaginative and muscular mingling of punk, metal, and pop. ~ Paula Carino
Rovi
ニューレイヴなるムーヴメントが音楽シーンを占拠した2007年、いわゆるクラブ・ミュージックとメタル〜ハードコアを融合させたデビュー作『Take To The Skies』で話題をさらった異色のUKバンドが待望の2作目を完成させた。ハードコア・スピリットを表明すべく〈We Must Unite!〉と連呼する“Common Dreads”や、キラキラのシンセ&重低音ギターが鳴り響く“Solidarity”、モッシュ対応のフロア・アンセム“Fanfare For The Conscious Man”などなど、前作以上の衝撃に満ちた楽曲が並んでいる。ニューレイヴ以降も衰え知らずのUKダンス・ロック勢と、現在USを中心に猛威を奮っているエモトロニカ勢。その両方とリンクしつつもまったく独自のサウンドを鳴らす彼らには、もはや敵なんて存在しない!
bounce (C)粟野竜二
タワーレコード(vol.311(2009年06月25日発行号)掲載)