音楽とファッション、アート、テクノロジーを繋いで"未来から来たR&B"とも表現されるネクスト・レベル・アーティスト、FKAツイッグスがデビュー・アルバム以来5年ぶりとなる2作目『MAGDALENE』を〈Young Turks〉よりリリース。
アルバムに収録されている「Mary Magdalene」にも歌われているように、サウンドには心と身体の再生に向かっている彼女の姿が映し出されており、デビュー・アルバム『LP1』と同様にFKAツイッグス自身が制作/プロデュースを手掛け、エレクトロニック・ミュージック界を代表するプロデューサーのニコラス・ジャーら多数の著名アーティストが、コラボレーターとしても名を連ねている。
ファッションアイコンとしても注目され、サウンドはもちろん多彩なビジュアルアートで視覚的にも魅了する新世代アーティストの新たな感性が溢れ出した作品がここに誕生した。
日本盤CDにはボーナストラックとしてロンドンの美術館The Wallace Collectionにて行われた「Cellophane」のライブ音源1曲が追加収録され、解説書・歌詞対訳とロゴステッカーを封入。
さらに、数量限定となるTシャツセットの販売が決定!TシャツはS/M/Lの3サイズ展開でフロントにジャケット・アートワークとロゴ、バックプリントにはアルバムタイトルとメッセージが入ったデザインになっている。
発売・販売元 提供資料(2019/09/18)
2014年のファースト・アルバム『LP1』が絶賛されたイギリスのシンガーによる2作目。前作よりも折衷度が増した内容は、妖艶な音像を描いている。ざらついたインダストリアル・サウンドに攻撃的な歌声を乗せる"Fallen Alien"、デッド・カン・ダンスを連想させる呪術的歌唱が際立った"Thousand Eyes"など、すべての曲が強烈なインパクトを放ち、荘厳さを隠さない。
bounce (C)近藤真弥
タワーレコード(vol.433(2019年11月25日発行号)掲載)
新約聖書中の福音書に登場するマグダラのマリアにインスピレーションを受けた5年振りのアルバム。前作からブランクの間に、精神・肉体の双方に辛い出来事があったそうだが、その逆境を糧にした今作での彼女は、畏敬の念を抱かせるほど神々しい歌声を聴かせる。その歌には困難を跳ね返したタフネスだけでなく、崩れ落ちそうな弱さも抱え込み、表現者として著しい成長がみてとれるだろう。ニコラス・ジャー、ジャック・アントノフ、フューチャーらの参加はトピックであり、トレードマークの奇怪な電子音も刺激的ではあるが、未来のR&Bから一歩高みへと踏み込んだ厳かな楽曲群とそこに映える歌の威力には霞んでしまう。
intoxicate (C)青木正之
タワーレコード(vol.142(2019年10月10日発行号)掲載)