現代アルゼンチンのネオ・フォルクローレ史に残る名作『ルス・デ・アグア』の中心人物にして、今もっとも注目すべきアーティスト、セバスティアン・マッキが、カルロス・アギーレ、ゴンサロ・ディアスと結成したトリオで作り上げた、2019年屈指の好アルバム。
現代アルゼンチンのネオ・フォルクローレの金字塔として、多くの人々にとって生涯の一枚となった『ルス・デ・アグア』の中心人物にして、シーンの次世代を担うピアニスト/コンポーザーとして美意識あふれる音楽を創造するセバスティアン・マッキ。そして、ネオ・フォルクローレ・シーンの精神的な支柱として、自然への愛情と人間的な優しさを美しい旋律と言葉で描く音楽の詩人カルロス・アギーレ。カルロス・アギーレ・グルーポのメンバーとして活動し、アギーレ主宰のレーベル「シャグラダ・メドラ」の作品にも数多く参加する打楽器奏者、ゴンサロ・ディアス。
音楽的盟友でもある3人が描く音のトライアングル。それは、パラナ河の水面のように幾重にも波紋を描き、豊かなハーモニーを奏でます。それは、リリアナ・エレーロ、カルロス・アギーレそしてアカ・セカまで、アルゼンチンのネオ・フォルクローレの名盤の系譜を継ぐ豊潤な音楽であり、瑞々しい輝きに満ち溢れています。
日本盤はオリジナルのアートワークを忠実に再現しつつも、歌詞/対訳/ライナーノーツを収録したダブル・ブックレット仕様。ジャケットにあしらわれた「水の結晶」の絵は、カルロス・アギーレ・グルーポの名作『クレーマ』を始め一連の手描きの絵を手がけた女性画家パメラ・ヴィジャラーサによるもの。カルロス・アギーレの音楽的薫陶を受け、今ではお互いに尊敬しあう盟友でもあるセバスティアン・マッキの創作活動の、1つの到達点となる作品です。
発売・販売元 提供資料(2019/10/31)
その滑らかな歌声と穏やかなメロディーの運び、ハーモニーの醸し出す音楽のケーデンスにスペイン語のリリックがまるでポルトガル語のように聞こえる。セバスティアン・マッキ・トリオ、カルロス・アギーレを中心に蠢くネオ・フォルクローレの音楽シーンに表れた新生、トリオ。カルロス・アギーレがベース、アギーレのアンサンブルのパーカッショニスト、ゴンサロ・ディアスというバンドメンバーである。アルバムタイトルの《アグアシラバス》は、水の音節という意味。マッキが参加した名盤《ルス・デ・アグア》も水=アグアについてのアルバムだった。水は彼ら一派の豊穣なイメージの源泉のようだ。
intoxicate (C)高見一樹
タワーレコード(vol.142(2019年10月10日発行号)掲載)