日本屈指のテクニックを誇るギタリスト、梶山章。
無名ながら卓越した歌唱力を持つ藤井重樹というヴォーカリストを発掘した彼は、かつて森川之雄(現ANTHEM)と組んだ正統派ハード・ロック・プロジェクトの「GOLDBRICK」という名前を復活させ、昨年『THE BOUNDARY』というアルバムをリリースした。その新生GOLDBRICKが今年5月6日に行った東京・目黒鹿鳴館でのライヴの模様を収録した映像作品が遂にリリースされる。
永川敏郎も参加、リズム隊には新顔を迎えて行なったこの東京公演は、上機嫌で弾きまくっていた梶山が最後に来て突如キレて、さながら若き日のリッチー・ブラックモアが「狂気のギタリスト」と呼ばれたような、怒りのギターを炸裂させたことが、マニアの間で噂になっている、いわく付きの商品だ。
梶山は「アルバムにはない、ライヴならではの楽しみ」を観客に提供するため、アルバムではバッキングに徹していた箇所でも終始メロディを奏で、思う存分弾きまくっていた。その表情はあくまで笑顔であったが、本編ラストの"Fly Away"からインストで"威風堂々"へと入っていったところで一瞬プレイを中断、気を取り直して再び演奏に戻ってエンディングを迎えたものの、厳しい表情でステージ袖に姿を消した。"威風堂々"の演奏中に起きた「ある出来事」に、怒りが爆発したのだという。梶山はアンコールで、その怒りを「狂ったように弾きまくる」ことで発散した。こういう梶山はちょっと見たことがない。
結果的に、我々は「和製リッチー・ブラックモア」と呼ばれた梶山章が、まさに「狂気のギタリスト」と化す瞬間を目撃したことになる。それはまさに鬼気迫る光景だった。今回、その「怒りのギター」を含めて、かつてないほど弾きまくった梶山のパフォーマンスがパッケージ化されたのは、実にありがたい。マニア必携の逸品である。
(文・広瀬和生/BURRN!編集長)
発売・販売元 提供資料(2019/08/15)
あの梶山 章が<狂気のギタリスト>と化した新生GOLDBRICK初の東京公演の模様を映像化! (C)RS
JMD(2019/08/10)