世界中のミュージック・ファンたちから熱い注目を浴びているドイツのワールド・ミュージック・レーベル、Glitterbeat。そのサブ・レーベルであるtak:tilは、これまでジョン・ハッセルの『マラヤの夢語り~第四世界 Vol.2』(ライス・レコード INR-7130)や韓国の伝統派エクスペリメンタリスト、パク・ジハの『コミュニオン』(サンビーニャ・インポート INSI-5476)などをはじめとする非常に優れたアンビエント/エクスペリメンタル系作品を続々とリリースしてきましたが、そのtak:tilから今回新たなる傑作が登場しました!
バルカン半島北西部に位置する小国スロヴェニアで2015年に結成されたシロム。アナ・クラヴァニャ(ヴァイオリン/ヴィオラ/ラバーブ/ケイチャク/ベンディール/バラフォン/フルート/サウンド・オブジェクト/ヴォイス)、サモ・クチン(イキテリア/ハーディ・ガーディ/タンブラ・ブラチ/メロディカ/チューブラーベル/パーカッション/サウンド・オブジェクト/ヴォイス)、イズトク・コレン(バンジョウ/3弦バンジョウ/バラフォン/ガムラン/タンク・ドラム/パーカッション/サウンド・オブジェクト)からなるこのトリオ・グループは『既存の音楽を演奏しないこと』、『架空の民俗音楽を演奏すること』をテーマに、独自の音楽世界を追求してきました。ベンディールなどをはじめとするプリミティヴな打楽器が作り上げる強烈な緊迫感と、様々な国の伝統民俗楽器やハンドメイド楽器がもたらす異世界感、そしてヴィオラなどの弦楽器が奏でる悲壮感に満ちた鮮烈なメロディが非常に特徴的な彼らですが、このダークで叙情的な世界観や、全体に漂う摩訶不思議な異国情緒に心奪われた人も少なくないかと思います。
そして今回ご紹介するのはデビュー・アルバム『I(アイ)』、セカンド・アルバム『アイ・キャン・ビー・ア・クレイ・スナッパー』(サンビーニャ・インポート INSI-5467)に続く、彼らのサード・アルバム『ア・ユニヴァース・ザット・ロースツ・ブロッサムズ・フォー・ア・ホース』、直訳すると "馬のために花を炙り焼きにする宇宙"というアルバム・タイトルのこの作品。「私たちが音楽を制作するという事と、この世に新世界を構築するという事はまったく同じ事なんだ」とサモ・クチンが語るように、今回の作品もバラフォンやケイチャクをはじめとする様々な伝統民俗楽器のマルチカルチュラルな響きや、イキテリアなどのハンドメイド楽器が奏でるミニマルなフレーズの重なり、そしてヴィオラやハーディ・ガーディのリリカルな旋律と激しい打楽器演奏が渾然一体となり、聴く人に唯一無二のランドスケープ・イメージを与えてくれます。また、演奏面でかなり実験的かつ大胆な試みをしているにも関わらず不協和音を感じさせることがなく、非常に均衡のとれた美しいハーモニーが保たれている点も不思議。エクスペリメンタル/アヴァンギャルド・ミュージック・ファンの方は勿論のこと、伝統楽器、ハンドメイド楽器好きの方にも強くオススメします!
発売・販売元 提供資料(2019/08/15)