ジェラルド・クレイトン、ラリー・グレナディアとのトリオ作品!
Dayna Stephens, Walter Smith IIIらをフロントにフィーチャーするほか、リオネル・ルエケのバンドで活躍するMassimo Biolcati を迎えた作品等 豪華な布陣でアルバムをリリースしてきたドラマーのSunnyside第一弾
NYを拠点に活動するドラマー、マット・スローカムのSunnyside 第一弾!本作まで、自主制作盤を中心にリリースし、本作で5作目となる模様。
現在にいたるまで、Dayna Stephens, Walter Smith IIIといった重量級のサックスをフロントにフィーチャーするほか、SteveCardenas、リオネル・ルエケのバンドで活躍するMassi mo Bi ol cati を迎えるなど、豪華な布陣の作品をリリース。今回は、それらのアルバムにも参加し、20年に及ぶ仲という、ジェラルド・クレイトンと、パット・メセニーや、ブラッド・メルドウのバンドで活躍する今や説明不要のキャリアを誇るベーシスト、ラリー・グレナディアとの注目のトリオ編成になっています。
コンポーザーとしても確固としたテイストをもつスローカムは、通常、作曲およびアレンジの前に、メンバーの個性を思い描いていることが通常とのことながら、今回は、そうしたことなしで、作品を描いていったとのこと。それだけに2017年の初頭から奮闘したとのことながら、自分自身をより見つめる作品になったようです。
楽曲は、8曲。伝統的なスウィンギーなナンバーもありつつ、ショパンの"前奏曲第4番ホ短調"を下敷きにしてアレンジしたクラシカルな演奏あり、ビル・エヴァンス・トリオをほうふつとさせる詩的な演奏あり、抽象画のようなアブストラクトな演奏や、コンテンポラリーなナンバーも。
1981年生まれ、30代後半となるアーティストの注目の一作です。
発売・販売元 提供資料(2019/07/16)
マッシモ・ビオルカティに替って、ラリー・グレナディアが参加、コンテンポラリーな個性で新旧のジャズファンを魅了するジェラルド・クレイトンはハイテンションで魅力だ。グレナディアのベースは、"響きと振動を捉えた録音"でオーディオファンをも魅了する。次々と現れる"New Chapter"系のプレイヤーにも通じる"ニュービート"でのクレイトンのプレイは2010年代末を改めて感じさせる。「リズムからビートへ」、そして、「グルーヴからウエイヴへ」、スイングの質が多層化してきた2000年代以降の流れが集約された。②⑧で見せる新感覚のスイング感に加えて③~⑤では遅い曲にもリリカルな魅力を感じさせてくれる。
intoxicate (C)瀧口秀之
タワーレコード(vol.140(2019年6月10日発行号)掲載)