| フォーマット | UHQCD |
| 発売日 | 2019年09月25日 |
| 国内/輸入 | 国内 |
| レーベル | ユニバーサルミュージック |
| 構成数 | 1 |
| パッケージ仕様 | - |
| 規格品番 | UPCY-40038 |
| SKU | 4988031344866 |
構成数 : 1枚
合計収録時間 : 00:43:19

※ショッピングカートおよび注文内容の確認画面にてフラゲのお届けになるかご確認ください。
※各種前払い決済をご利用の場合、フラゲは保証しておりません。
※フラゲは配送日時指定なしでご注文いただいた場合に限ります。
読み込み中にエラーが発生しました。
画面をリロードして、再読み込みしてください。
鈴木康博の楽曲には”洋楽”の匂いがする。オープニングの「ランナウェイ」にはビートルズの「ゲット・バック」の軽快なノリが取り入れられているし、続く「ピロートーク」の安らかな空気感はポール・サイモンの「きみの愛のために」の仄かで温かい”揺らぎ”を感じる。「青春」もカーリー・サイモンっぽいし、「おもい違い」の音符の紡ぎ方はアメリカの「マスクラット・ラヴ」を想わせる。少し強引だが、セリフ入りの小品「ひとりよがり」もP・マッカートニーの「ピカソの遺言」のようにも聴こえてしまう。そんな洋楽のエッセンスが覗けるのもこのアルバムが最後で、次回作からはすべて良質の鈴木節に昇華されている。
一方、小田和正の楽曲は”甘くやるせない”。秋色のアルバム・カラーの中にあって、心地よい春風を感じさせる「こころは気紛れ」は、CM用の弾けるシングル・ヴァージョンとは異なり、ミディアム調で落ち着いたコーラスでアレンジされている。アルバムの中でひときわ映える「めぐる季節」も出色だ。静と動のコントラストが眩しい。3枚のシングルの中では最もシックな「ひとりで生きてゆければ」も、さり気なく心に沁みる。今の若い人の心情にも寄り添い、そっと癒してくれる歌詞は、不変だ。
アルバムのハイライトは終演前の「冬が来るまえに」だろう。エリック・カルメンの「オール・バイ・マイセルフ」を想わせる佳曲で、深まりゆく秋が終わりを告げようとする頃、厳しい冬の訪れを前に、傷ついた心を癒し、強く生きるための準備をしなければいけない、といった”決意”のようなものが伝わってくる。
ラストの「歌を捧げて」の後、遠くから聴こえてくる余韻のようなエピローグは、次作『JUNKTION』の冒頭にプロローグとして使われていて、ユーミンの『コバルト・アワー』で仕掛けられているセスナ機のプロペラ音のループのような”繋ぎ”の役割を果たしている。