フォーマット |
CD |
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構成数 |
1 |
国内/輸入 |
輸入 (ヨーロッパ盤) |
パッケージ仕様 |
- |
発売日 |
2019年09月13日 |
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規格品番 |
7559792406 |
レーベル |
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SKU |
075597924060 |
フリー・フォークからサイケデリック・ロックまでを詰め込んだ唯一無比のオーガニック・サウンドの貴公子デヴェンドラ・バンハート、あの名盤「Cripple Crow」に匹敵する名盤の誕生!これまで通り彼らしいサイケでフォーキーな楽曲からポルトガル語やスペイン語で歌った楽曲も収録、更に細野晴臣へのオマージュ曲M(2)「Kantori Ongaku」も必聴!!
(C)名古屋近鉄パッセ店:平野 誉幸
個人的には、2019年度ベスト10に入れたい名品。キャリアを重ね、フリーフォーク~ネオ・サイケ界隈で確固たる地位を得ている存在故に、今作もどこか難しさもあるのかなぁと思いながら聴いてみたら、驚くほどに心地良く、軽やか且つフレッシュな内容で自分を反省しました。マック・デマルコに対抗?するように細野さん愛を炸裂させた(2)「Kantori Ongaku 」やヴァシュティ・バニヤン参加の(13)「Will I See You Tonight?」にも注目。 (C)吉祥寺店:狩野 卓永
ニュー・アルバムのタイトルはシンプルにも思える『MA』。ノンサッチへ移籍してから3作目となる本作で描かれているのは、"大いなる母子の愛"。無償なる母の愛、育てたいという欲求、母から子へと受け継がれる智慧、母と子の関係を築きたいと願う気持ち、そしてその絆が崩れた時何が起こるのか――本作には、これらのテーマが時には直接的に、時にはおかしなほど遠回しな形で描かれている。「『MA』は母性に捧げられているんだ」そうデヴェンドラは本作について説明する。「"MA"という言葉が、僕たちが生まれて初めて発する声と最期の時に発する声のとても良い候補であること、そして色々な言語において「母親」を意味していることに気付いたことから、このアルバムのタイトルは生まれたんだ」また彼は、こうもコメントしている。「近しい友人が親となる年代に入ったけど、自分は親になっていないし、これからも親になるかも分からない。だからこの作品は、自分が子供に伝えたいことを表現している。自分が親にならなかったとしても、自分が子供に伝えたいこと全てを込めたアルバムを作ったんだ」
デヴェンドラらしいのは、このテーマに対して、言葉的なアプローチをとらなかったこと。彼は"母性"というコンセプトを、時にじっくり考えながら、特にそれとなくほのめかしながら、様々な異なるアングルから捉え、色々な視点が絡み合った語り口で綴ったアルバムを創り上げた。そこには、パーソナルな心配事や世界的な懸念、自伝的な視点から見つめた生と死、現在の不安定な世界に対する沈思黙考などが描かれているのだ。
長年共に仕事をしている音楽的同士、ノア・ジョージソンと二人で作り上げた本作は、国境を越えた一つの音楽旅行でもあった。短期間のアジア旅行のあと、京都の古寺にある特別な空間に招かれ、レコーディングを行ったことから始まり、アメリカのロサンゼルスにある64サウンドやシーホース・スタジオ、そしてビッグサーにあるアンダーソン・キャニオンでのレコーディングに続いた。そしてこれまでのデヴェンドラの作品同様、今作もまた、国境やジャンルといったものから解き放れた作品が並んでいる。ウェールズのシンガー・ソングライター、Cate Le Bonが「Now All Gone」でバック・ヴォーカルとして参加している他、デヴェンドラの愛する友人であり、師でもあり、またミューズでもあるブリティッシュ・フォーク・レジェンド、Vashti Bunyanが「Will I See You Tonight」で彼とデュエットを披露している。「Vashtiは、"母"の原型であり、僕の人生にとって最も重要な人物の一人だ。彼女と一緒にこの曲でデュエットしたのは本当に素敵だったよ」そうデヴェンドラは語っている。(1/2)
国境やジャンルを超越した活躍を見せるデヴェンドラだが、彼の第2の故郷であるベネズエラへの想いも、本作には垣間見える。また今作で彼がスペイン語の曲を取り入れたのも、ベネズエラのことが頭にあったからだという。政情が混乱し、貧困や絶望が広がっている国の現状を目の当たりにした彼は、大きな衝撃を受けた。「兄や従兄弟、叔父や叔母は今でもベネズエラに死んでいる。彼らは息をひそめながら出口のない停滞状況の下で暮らしている。そんな絶望があるんだ。その国はかつて、母のような存在だった。でも今苦しんでいる。出来ることは何もないかもしれないけど、愛を届けるぐらいは出来ると思う」アルバム発売に合わせて行われる『MA』全米ツアーでは、チケット1枚から1ドルが、コロンビア・ベネズエラ国境で食事などを提供する活動を行っているWord Central Kitchenへ寄付される。
最近では"画伯"としても注目を集めているデヴェ様だが、今年の春には初の詩集『Weeping Gang, Bliss Void, Yab Yum』と、東日本大震災の後に日本を訪ねたときの体験からインスパイアされた作品を集めたインク画集『Vanishing Wave』を発表している。またブルックリンの服飾デザイナー、Alex Craneとのコラボレーションも行ったばかりだ。
ミニマルな空間から生まれた無限に自由な音楽。シルキーな歌声とアコースティック・サウンドで音楽的放浪を続け、今や国境からもジャンルからも解脱した"デヴェ様"が描く、"大いなる母子の愛"。それが本作『MA』が辿り着いた高みなのだ。(2/2)
構成数 | 1枚
合計収録時間 | 00:00:00
The tenth album from the neo-psych pioneer is the follow-up to 2016's Ape in Pink Marble. Lighter in tone than its predecessor, with an intimate feel and gentle chamber pop embellishments, it was produced by Banhart's longtime collaborator Noah Georgeson and features guest appearances from Cate Le Bon and Vashti Bunyan. The smooth, countrypolitan-styled single "Kantori Ongaku" (Japanese for "country music") is included. ~ John D. Buchanan
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1.[CD]
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1.Is This Nice?
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2.Kantori Ongaku
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3.Ami
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4.Memorial
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5.Carolina
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6.Now All Gone
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7.Love Song
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8.Abre Las Manos
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9.Taking a Page
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10.October 12
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11.My Boyfriend's In The Band
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12.The Lost Coast
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13.Will I See You Tonight? (featuring Vashti Bunyan)
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長年のコラボレーターであるノア・ジョージソンやヴァシュティ・バニヤンが参加し、なんと京都の寺院でも録音されたという興味深い新作。彼らしいサイケでフォーキーな音像が楽しめるが、ポルトガル語やスペイン語で歌ったりと無国籍感が半端ない。特に"Kantori Ongaku"は日本語の歌詞も含む細野晴臣へのオマージュ曲で、見事な〈逆輸入〉の和製オルタナ・カントリーに仕上がってます。
bounce (C)赤瀧洋二タワーレコード (vol.432(2019年10月25日発行号)掲載)
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『大いなる母子の愛』をテーマに据えた 〈ノンサッチ〉から3作目となるアルバム。今回もノア・ジョージソンと二人で制作したそうで、ミニマルでアコースティック、無国籍でジャンルレスないつもの変わらぬデヴェ様ではあるが、スペイン語やポルトガル語で歌う曲があり、細野晴臣へのオマージュ《Kantori Ongaku》では日本語も交えるなど、国境という既存の枠組みをますます薄め、飄々と飛び越えている。彼にとって"母"の原型であり、最も重要な人物というヴァシュティ・バニヤンとのデュエット《Will I See You Tonight ?》に代表される、とても穏やかで包み込むようなトーンが印象的なアルバムだ。
intoxicate (C)青木正之タワーレコード (vol.141(2019年8月20日発行号)掲載)
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