カメルーン出身のマルチ・インストゥルメンタリスト/シンガー・ソングライター/プロデューサー、レテシア・タムコ(Laetitia Tamko)によるソロ・プロジェクト、ヴァガボン(VAGABON)。2017年にリリースしたデビュー・アルバム『INFINITE WORLDS』でデビューした彼女は、そのソウルフルなインディー・ロック・サウンドで多くの早耳リスナーの注目を集めた。今はニューヨークを拠点に活躍する彼女が、NONESUCH RECORDSへ移籍。レーベル第1弾となるセルフ・タイトルのアルバムをリリースする。
本作『VAGABON』のソングライティングとプロデュースは全てレテシア本人が手掛けている。彼女の前作を耳にしたことがある人なら、今作ではギター中心のメロディーが影をひそめ、その代わり、アナログとデジタルを巧みに組み合わせた、エレクトロなのにオーガニックなアレンジがアルバム全体のトーンを創り上げていることに気付くだろう。さらに言えば、前作は"インディー・ロック"とカテゴライズされることが多かったが、今回リリースされる新作は、インディー・ロックから大きくはみだし、インディーやメインストリーム、ポップやロックといったジャンルにはめ込むことが容易でないサウンドにも思える。しかし常に彼女の音楽の中心にあるのは、深みのある表情豊かなヴォーカルなのだ。
「ニュー・アルバムで見せているドラムスとヴォーカルのアプローチは、私自身のラップやヒップホップのプロダクションに対する愛と、R&Bやフォーク・ミュージックのストーリーテリングから生まれたのだと思う。そうした音楽のおかげで、再びソングライティングがエキサイティングなものだと感じることが出来た」彼女は今作についてそう語る。この他、アルバムには彼女が子供時代に聴いていた西アフリカのギターやリズムからの影響もあちこちに聴くことが出来るが、そのサウンドが最も顕著に表れているのが「In A Bind」だろう。レテシア曰く、この曲はマリのアーティスト、アリ・ファルカ・トゥーレからインスパイアされているという。「彼の曲、"Savane"に彼と彼のバンドが音楽にものすごく深く入り込んでいて、思わず一言『Yes』と発するところがあるの」彼女はそう説明し、さらに続ける。「どこか高い所から音楽が降りてきているみたいだった。そうした感覚が、大好きなアフリカ音楽のほとんどにあって、『In A Bind』を作っていたときにも、同じような感覚に襲われたの」。(1/2)
発売・販売元 提供資料(2019/09/06)
リード・シングルとなるのはアルバムの2曲目となる「Flood」。ここで彼女は、ヴォーカルと全ての楽器を自分で担当している。彼女曰く、この曲は元々良く知られたポップ・デュオの為に作った曲だったそう。そして彼女は、この曲提供の依頼を、自分自身のソングライティングとプロダクションの技術と力を伸ばして、数年前だったら"ヴァガボン"として決して作らなかったであろう曲を作る機会として捉えた。その結果として出来上がった曲は、アーティストとしての大きな成長の証とも呼べる作品となり、最終的には彼女はこの曲を自分のものにしたという。
今作を作る上で、共通した歌詞のテーマを特に設けることはしなかったという彼女。それにより、アルバムは、様々なムードや感情が一つに混じり合った作品となった。弾むようなダンス・ナンバーの「Water Me Down」から、音的コラージュのような「Please Don't Leave The Table」、さらにアルバムの終盤を飾る一つの命題を主張した「Every Woman」まで、アーティストとしての実力も、世界も大きく広がった彼女の成長が見て取れるのだ。「私の音楽の中で、"家(うち)"はいつも大きなテーマだった」そう彼女はアルバムに収録されている「Home Soon」について語る。「はぐれ者の為の音楽を作っていると言った時、私は家から遠く離れていると感じている人、自分が現在いるところに居心地の悪さを感じている人たちのことも考えている。私にとって、家(うち)は、実際に住む家というよりも、精神的な居場所の事を意味している。私は、家だけじゃなく、身体も心も、自分がいるコミュニティの中でも安心感を得たいと思うことを表現している。"ヴァガボン"を、共通する何かを求めている人たちの為のプロジェクトにしたいと思うの」
どこにも当てはまらない、しかしそれ故に誰の心にも響くユニヴァーサル性を持つ、ユニークな音楽的世界観を持つヴァガボン。セルフ・タイトルのニュー・アルバムは、変化を恐れることなく、常に成長をし続ける彼女が世に送り出す、エレクトロでオーガニックな珠玉の逸品である。(2/2)
発売・販売元 提供資料(2019/09/06)
When singer/songwriter/multi-instrumentalist Laetitia Tamko made her full-length debut as Vagabon, it was with the diverse, sometimes volatile Infinite Worlds. The restlessness captured on that album in terms of styles, sounds, and lyrics is replaced by a more mature calm -- even wisdom -- on the reflective Vagabon. A surprising follow-up sonically, Tamko ditches the debuts mix of indie folk, electro-pop, and punky indie rock for more-streamlined software compositions, largely the result of having written most of Vagabon on a laptop while touring. Along with Tamkos smoky, alluring voice, a wafting blend of sustained string and synth textures comprise the core of Home Soon. Its tender, elongated vocal line consists of only a couple repeated clauses, which are also accompanied by atmospheric background vocals that provide another component of the songs ambient harmonies. The decision to make the album an eponymous one becomes more meaningful as lyrics reveal themes of both self-sufficiency and, as in the case of Home Soon, a sense of belonging. In a declaration of the former, the strummed acoustic guitar and subtle refractive synths of Every Woman showcase lyrics like We reserve the right to be full/When were on our own/No Im not alone. Elsewhere, lively album highlight Water Me Down has a similar message alongside a playful arrangement of melodic synth flourishes, trombone-like countermelody, mechanical beats, and varied percussion (small cymbal, shaker, handclaps, and more). While In a Bind begins with a picked acoustic guitar melody and vocals, it soon adds an affirming vocal choir, plucked strings, and muted, shimmering synths. Throughout, Vagabon is remarkable for its calm confidence as well as its soft yet colorful palette. In another twist, after opening with the sensual Full Moon in Gemini and negotiating inclusion, rejection, and self-reliance in between, the album closes with a reprise of the opener by Monako, who offers the song from a male point of view. ~ Marcy Donelson
Rovi