フェミナ、ウアイラやアンディ・オットーらがゲスト参加。モダン・エレクトリック、クラブ・ジャズや世界音楽の垣根を越え多くのリスナーを魅了したフレッシュなサウンドにさらなる磨きをかけた飛躍の一枚!
バリオ・リンドはブエノスアイレス出身で現在はベルリンを拠点に活動している音楽プロデューサー、アグスティン・リバルドのソロ・プロジェクト。デジタル・クンビアの名門ZZKレーベルからのリリースやチャンチャ・ビア・シルクイート作品への客演などで頭角を現し、ニコラ・クルースらに続く「エレクトリック・フォルクローレ」の新鋭として注目を集めている。2018年はセカンド・アルバム『Albura』が日本発売され初めてのジャパン・ツアーも敢行、各所で大きな反響を呼んだ。
本作は『Albura』に続くその待望の最新アルバム(通算第3作)。
南米のさまざまなリズムと楽器と郷愁を誘うアンデス直行のメロディと。今回はそこにシンセを随所に盛り込んでディープさとエクスペリメンタルなエッジが2割増し。ベルリン仕込みのフロアへの目配せをビシっときかせクラブ鳴りもさらにバッチリです。ラテン・アメリカの伝統要素とモダンなフロア向けのエレクトロニック音楽というふたつの異世界に血肉を通わせ…という『Albura』で打ち立てたスタイルに不穏なオルタナ感を加えまたも驚きの異郷を構築。
M3「Perfume」のボーカルはウェステのクララ・トルッコ。クアンティックがプロデュースしたアルバムで注目を集めるフィーメール・トリオ、フェミナのメンバーでもあります。M4「Himmel Himmel Blao」に名を連ねるアンディ・オットーはマルチ・カルチからのシングルや安東ウメ子のリミックスで急浮上したドイツの新鋭。M6「La Luz」のウアイラはニコラ・クルースのアルバムにも参加、Shika Shikaからのシングルが話題となり期待を寄せられているニュー・フェイス。
デジタル・クンビアやグローバル・ベース、グローカル・ビーツなどの現在地点はかくもエキサイティングなことになっておりますよ!あるいはフアナ・モリーナがあぶり出した稀有なタレントの巣窟であるアルゼンチン音楽のアザー・サイドとしても…。もちろんヴードゥーホップ、マルチ・カルチやディスコ・ハラルが火を点けたモダン・エレクトリックのスロウな越境ムードにもジャスト・フィット。
発売・販売元 提供資料(2019/07/02)
近年はベルリンに活動拠点を移している、ブエノスアイレス出身プロデューサーの3作目。ニコラ・クルスらに続く〈エレクトリック・フォルクローレ〉なる呼称はともかく、南米ルーツ音楽のさまざまな楽器とリズム、郷愁を誘うアンデス由来のメロディーといった生来のエッセンスがベルリン仕込みでいささかフロア・フレンドリーになった模様ではあるが、シンプルな構成ゆえの強靭で独特なグルーヴは不変だ。目下シーンで話題のフィーメール・トリオ、フェミナのメンバーがヴォーカルを担当する"Perfume"、エクアドル・シーンの次代を担うウアイラを迎えた"La Luz"など、客演にも目配りが利いている。南米産クラブ・ミュージックの新たなフェイズにおける重要な一枚といっていいだろう。
bounce (C)藤堂てるいえ
タワーレコード(vol.429(2019年7月25日発行号)掲載)