長年エレクトロニカ・シーンを牽引しつづけてきたキース・ケニフ=ヘリオス
名作『Eingya』につづき、3rdアルバム『Caesura』がリマスター再発!
精緻に作りこまれたセンチメンタルなエレクトロニカ路線のヘリオス名義、ソロ・ピアノにフォーカスしたミニマルで静謐なポスト・クラシカル路線のゴールドムンド名義を中心に、アップル、フェイスブック、グーグルなどのCM音楽や映画のスコアを手がける優秀な作曲家キース・ケニフ。リリースする作品すべてがロングセラーを記録し、10年以上に渡りシーンのトップ・アーティストでありつづけています。
本作は2008年にTypeからリリースされたヘリオス名義での3rdアルバム『Caesura』の再発盤。フィジカルは長年廃盤状態でしたが、待望の再発となりました。2006年リリースの『Eingya』は彼自身が演奏したピアノとギターなど生楽器によるセンチメンタルなメロディーと、穏やかなシンセやエレクトロニクス、フィールドレコーディングが織りなすメロディック・エレクトロニカの金字塔として後世に多大な影響を与えました。
本作『Caesura』は生楽器を多用した『Eingya』よりも、ビートを強調したよりエレクトロニカ色の強い作品。ピアノとギターを中心としたシネマティックなメロディーは健在ながら、さらにウルリッヒ・シュナウスのようなシューゲイザーやポスト・ロック寄りのサウンドも取り入れたヘリオス・サウンドの完成形。
紙ジャケット仕様の新装パッケージ。日本限定再発盤。ヘリオスの『Yume』と2018年の新作『Veriditas』を手がけたテイラー・デュプリーがリマスタリングを担当しています。
発売・販売元 提供資料(2019/07/31)
今年7月に発表したゴールドムンド名義のアルバムではブライアン・イーノ先生を思わせる素晴らしいピアノ・アンビエントを聴かせてくれたキース・ケニフが、間髪入れずに本命プロジェクトで新作を完成! 〈名義を変えるとここまで変わるのか!?〉とその豹変ぶりには人間不信に陥りそうですが、宇宙遊泳的なゆらゆらキラキラ無重力ギターと輪郭のはっきりしたビートが気持ちイイの何のって! エピック45ファンも必聴な一枚。
bounce (C)大久保 洋二
タワーレコード(2008年11月号掲載 (P69))