| フォーマット | UHQCD |
| 発売日 | 2019年08月07日 |
| 国内/輸入 | 国内 |
| レーベル | WARNER MUSIC JAPAN |
| 構成数 | 1 |
| パッケージ仕様 | - |
| 規格品番 | WPCR-18245 |
| SKU | 4943674298211 |
構成数 : 1枚
合計収録時間 : 00:37:48

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私が最初に聴いた時は高校生でプログレ全盛の頃だったから、組曲風の大作が2曲も入っていることには驚かなかった。しかし、アンダーソンの透き通った高音域ボーカル、ハウの緻密なギターワークには度肝を抜かれた。さらに驚いたのは、スクワイアのハウリングを起こしたような図太いベース音とブラフォード独特の甲高いスネアのリムショット音であった。いずれの音も雷に打たれたような衝撃を受けた。キングクリムゾンもピンクフロイドも当時、あんな音は出せなかった。一方、ウェイクマンのキーボードはクラシック的な音階をまだ引き摺ってはいるものの、徐々に独創的なメロディを作り出していた。このメンバーの仕事は早くも、ジャンルを超えて音楽の粋を結集させた一大絵巻となり、未だ追随を許していない。
ただ歌詞については難解極まりない。発表当時のライナーノーツにある訳詞は意味不明な言葉で綴られており、形而上学的と評された。だが洋楽曲訳詞サイト「りりっくりすと」に掲載された「危機」の完璧な訳詞文を拝読して、やっと得心できた。アンダーソンは読書家であり、ヘッセのシッダールタに影響を受けたという。主人公が悟りの境地を開いたのが川で、彼も川に人生の安住の地を見出し、死の恐怖が消えたという。そうした苦悩から生まれた本作の音楽世界は、どこまでも深く広く、今後も聴く者に人生の新たな意味を考えさせるであろう。