1990年代、アマリア・ロドリゲス(1920-99)の後継者のひとりと目されファド・シーンに登場し、数多くのアルバムを日本でも発表した歌姫ミージアが、なんとも意欲的で進歩的なファド・アルバムを作り上げた! (C)RS
JMD(2019/05/30)
ファド・ファンにはちょっと懐かしいアーティストの新作が久しぶりに登場することになりました。1990年代、アマリア・ロドリゲス(1920-99)の後継者のひとりと目されファド・シーンに登場し、数多くのアルバムを日本でも発表した歌姫ミージアが、何とも意欲的で進歩的なファド・アルバムを作り上げました。
ミージア(本名:スザーナ・マリア・アルフォンソ・デ・アギアール)は1955年にポルトガル北部の街ポルトで生まれましたが、1974年のカーネーション革命の後にスペインへと移住。その地で歌を歌いはじめた彼女が取り上げたのは、母国を代表する歌謡音楽のファドでした。その後ファドの女王アマリアの活動が下火になってきた90年代にポルトガルへ帰国した彼女は、「ポスト・アマリア」のひとりとして注目を集めるにようになり、1991年にはデビュー・アルバム『Misia(ミージア)』を発表。その後もコンスタントにアルバムをリリースするようになった彼女は、ここ日本でもWEAやBGMといったメジャー・レーベルから作品が紹介されたこともあって、大きな人気を集めるまでになりました。
そしてマリア・ベターニアらをゲストに招いた2015年作"Para Amalia"以来4年ぶりの新作として発表したのが本作で、今回はオランダのGalileoレーベルがライセンスした盤を使用して国内配給することになりました。音楽家として熟成を迎えたミージアが想う独自のファド観を具現化した、実に意欲的な内容を目指した本作では、本来ファドの伴奏を担当するポルトガル・ギターだけではなく、冒頭曲ではいきなりバス・クラリネットと歌の掛け合いだけという異色のファドを展開。さらにピアノやヴァイオリンが伴奏に加わったものや、時に激しく歪んだエレキギターをフィーチャーしたアレンジなどもあり、それはかなり攻撃的にさえ感じられます。
ここで取り上げているのはミージアの自作曲のほか、永遠の女王アマリアや伝説のギターラ奏者アルマンディーニョが作曲したファドの名曲、さらにピアソラのナンバーなど。そしてファドと同様に古くから親しまれてきた音楽タンゴのいまを代表する男性歌手ダニエル・メリンゴや、最近ではルイーザ・ソブラルのプロデューサーとしても知られるバルセロナの音楽家/ギタリストのレフリー、今のファド・シーンを代表する男性歌手リカルド・リベイロなど、実に多彩なゲスト音楽家が参加している点にも注目しください。伝統ファドの復興が若手たちの間で進む中、様々ジャンルとの接点を見出そうとしてるベテラン、ミージアのプログレッシヴ・ファド。そんな彼女の意欲を是非本作で感じ取ってください。
発売・販売元 提供資料(2019/05/29)