今回リリースのアルバム・コンセプトは、竹中労氏制作、嘉手苅林昌の歌・三線を中心にした、1975年発表のアルバム「失われた海への挽歌」が元となっています。このアルバムに込められた竹中氏の思いは、「沖縄(琉球)は、もと海洋独立国家であり、船で世界に橋を架け、南島に独自の文化をつくり、大和(日本本土)への三味線の道を開いた、そんな古の琉球への郷愁と、いま一つは"祖国復帰"以後、日々に汚染されて、むかしの面影、元姿を失っていく海への哀惜」です。さらに「ここに収録された歌は、いま沖縄の海を奪い汚す者への、はげしい告発の"うた"となる。」とも記されています。
当時の竹中氏の思いは、近年ますます重みと切実性を増しています。そこで今こそもう1度、新たなる選曲と録音により、2019年版「失われた海への挽歌」を制作し、海と共に生き、繁栄した琉球の歴史と、そこに生きた人々の姿を伝えられればと思いました。そしてそれは、竹中氏が先のアルバムに込めた思いとメッセージも、伝えることとなります。
収録曲は海に抱かれて生きた海洋民族、琉球の人々が紡ぎ出したさまざまな物語を歌い込んだ琉球民謡を中心に、一部奄美民謡も収録しました。
アルバムに参加してくれたのは、沖縄民謡界のベテラン松田弘一、徳原清文と、若手注目株の内里美香、村吉茜です。今作の制作趣旨に賛同を寄せて頂いた上で、各自の海への思いを引き出しながら、情感溢れる素晴らしい歌と三線を聴かせてくれ
ます。
また、ゲスト演奏者の琉琴の浜川恵子、笛の金城裕幸の演奏も大きな花をアルバムに添えてくれました。辺野古を始め、多数の美しい沖縄の海が失われつつある今こそ、海洋民族=琉球民族の海に寄せる情けを歌い込んだ、民謡の数々に込められたメッセージを是非お聴きください。
「海への回帰も"島うた=沖縄民謡"のもう1つのテーマである。多くの離島からなる琉球列島の生活は、海なくして成り立たない。歌もまた然り。」
─プロデューサー:小浜司
発売・販売元 提供資料(2019/06/11)
海をテーマにした沖縄民謡ばかりを収録。民謡界のベテラン松田弘一、徳原清文と、若手注目の内里美香、村吉茜が、失われゆく美しい沖縄の海へ万感の思いを込めて、歌と三線を奏でます。 (C)RS
JMD(2019/05/16)