マドンナの愛(ビート)が世界を包む!『レベル・ハート』(2015)から4年、クイーン・オブ・ポップ、マドンナ14枚目のスタジオ・アルバム。数年前から暮らすポルトガルのリスボンに影響されたという本作は、マドンナがキャリアの当初から関わってきたラテンを始めとした世界中の音楽とカルチャー からの影響が映し出されている。 (C)RS
JMD(2019/04/20)
前作『レベル・ハート』(2015)から4年振り、マドンナ14枚目のスタジオ・アルバム!!
数年前から暮らすポルトガルのリスボンに影響されたという新作『マダムX 』収録曲からは、マドンナがキャリアの当初から関わってきたラテンを始めとした世界中の音楽とカルチャーからの影響が映し出される。マドンナは英語に加え、ポルトガル語とスペイン語で歌っている。ハイライトは、ミルウェイズとの共同プロデュースによって、マルーマの生まれ故郷のスピリットを留めた「メデジン」、アンセム・ソングとも言える「アイ・ライズ」、クエイヴォをフィーチャーし、ディ プロとマドンナが共同プロデュースした、ジャマイカのダンスホール・ヴァイブを持つ 「フューチャー」、そして革新的サウンドが際立つミルウェイズのプロデュース曲「ダーク・バレエ」など。 『マダムX』の制作に要した期間は18ヵ月以上。レコーディングは、長年のプロデューサーであるミルウェイズの他、マイク・ディーン、ディプロ等を迎え、ポルトガル、ロンドン、ニューヨーク、ロサンゼルスで行われた。
「リスボンでこのアルバムは生まれたの」とマドンナは言う。「私のトライブ(一族)と呼べる、仲間、素晴らしいミュージシャンたちが作り出す魔法のような世界をみつけたのもリスボンだった。彼らの存在があったからこそ、世界中の音楽はすべてつながっていて、それこそがこの宇宙にとっての‘魂’だと信じる私の信念はさらに深まったのよ」
国内盤初回限定盤は、2CDハードカバー・ブック型パッケージ、2枚組SHM-CD仕様!!
発売・販売元 提供資料(2019/04/18)
マルーマやスウェイ・リー、クエイヴォとの先行カットから受けた印象は全体の一部だった。久々にミルウェイズと組み、マイク・ディーンやディプロらも続投した新作は、リスボンに住まうなかで吸収したレゲトンやバトゥーカ、ファド、レゲエ、サンバまで多文化の音楽を風情豊かに折衷している。が、そんなテーマを毎度テーマ以上のものに仕立てる本人の感覚にこそ信用と得難い魅力を覚えるわけで、"Like A Prayer"を匂わせながらハウスに発展する"God Control"や丸腰のバラード"Crazy"のような楽曲と並ぶことで、先行曲の哀愁味やアーシーな情緒も最大限に機能してくる。全体の折衷モードを象徴するアニッタとの"Faz Gostoso"もスリリングなカッコ良さ。控えめに言ってもここ数作でのベストだろう。
bounce (C)出嶌孝次
タワーレコード(vol.428(2019年6月25日発行号)掲載)