ドイツはグリースハイム出身の4人組インディー・ロック・バンド、OKTA LOGUE(オクタ・ローグ)。その彼らが2016年の『DIAMONDS AND DESPAIR』以来となる約3年振りの、通算4作目となるニュー・アルバムをリリース。
2007年にBenno HerzとRobert Herz、そしてPhilip Mealの3人によって結成されたZaphire Oktalogueが母体となっている彼らは、その数年後名前をOKTA LOGUEへ変え、4人編成のバンドとして活動をスタートした。2010年にドイツはベルリンにあるインディー・レーベルNasoni Recordsから、初期ピンク・フロイドを彷彿させるような、20分にも及ぶサイケデリック・ロック・トラックをフィーチャーしたデビュー・アルバム『BALLADS OF A BURDEN』をリリース。それからほどなくしてColumbiaレーベルへ移籍した彼らは、セカンド・アルバム『TALES OF TRANSIT CITY』をリリース、この頃からドイツ国内だけでなく、ヨーロッパなど海外からも注目を集めることとなり、USでもアルバムが発売、全米でもSXSWへの出演をはじめ、ニューヨークやロサンゼルスなどでライヴを行うようになる。またポルトガル・ザ・マンやニール・ヤングのオープニング・アクトを務める機会も得た。そして2016年、Virginからサード・アルバム『DIAMONDS AND DESPAIR』を発表。その音楽性がサイケデリック・ロックの範疇に収まりきるものではないことを証明した。
その彼らの最新アルバム『RUNWAY MARKINGS』。ドイツのハンブルグを拠点にするCLOUDS HILLレーベルからの第1弾となる作品だ。今作に流れるドイツの田舎よりもアメリカのウエスト・コーストを思わせるサウンドスケープは、どこかレトロでヴィンテージな雰囲気を漂わせつつ、サイケデリック・ロックやプログレの要素も感じられる。そしてアルバム全体を包み込むスタイリッシュなメロウさは、都市系ナイト・ミュージックと呼べるかも知れない。アルバムから先行トラックとしてリリースされている、メロウなギターが鮮烈な印象を残す9分半に亘る長編「Chocolate And Soda」、スローなメロディとハーモニーが心地よいムーディなナンバー「Devil's Dance」、どこかノスタルジックな雰囲気を漂わせるバラード「The Wheel」などを聴けば、彼らが目指すサウンドスケープが見えてくるだろう。またスタイリッシュなインディー映画を思わせるミュージック・ビデオにも注目だ。
ムーディでメロウな音世界が聴くものを心地よく包んでくれる『RUNWAY MARKINGS』。大げさでもなく、誇張でもなく、OKTA LOGUEの最新作は、聴くものの心の琴線を掻き鳴らす、ドイツのインディー・カルチャーが生み出した快心の1作なのである。
発売・販売元 提供資料(2019/04/26)