現代屈指のピアニスト、フレッド・ハーシュとWDR BBの共演。アレンジャー/コンダクターは鬼才ヴィンス・メンドゥーサ。充実のキャリアも示すフレッド・ハーシュの楽曲9曲を繊細かつダイナミックなアンサンブルと劇的に描きあげた55分。
今や、"Living Legend"と評され、ジャズという範疇を超えて、現代屈指のピアニストであるフレッド・ハーシュとWDR( 西ドイツ放送= Westdeutschen Rundfunks)Big Band との共演作品!ヨーロッパを代表するビッグ・バンドであるWDR(BB)は歴史的、実力的に屈指で、名ジャズ・プレイヤーをソリストにした作品も多数。数々の名アレンジャーを迎えていますが、本プロジェクトでは、鬼才アレンジャー/コンダクター、ヴィンス・メンドーサを迎えています。フレッド・ハーシュ自身「ヴィンスは私が書いた楽曲を信頼してくれていたので、彼が曲をリスペクトして、彼自身の才能を加えてくれるとわかっていた。それが現実のものになってうれしい」と語っていますが、全9曲すべてフレッド・ハーシュのオリジナルをヴィンスがアレンジ。まさに、現代の才能がコラボした注目のプロジェクトになっています。
レコーディングとしてはこれが初となるタイトル・トラック"Begin Again"をオープニングに、近年のナンバーを中心としつつ、今からさかのぼること30 年前から演奏されている"Rain Waltz"のようなナンバーや、2001年の名作『SongWithout Words』など、フレッド・ハーシュのキャリアの長さも感じさせるセレクト。また作風も様々。前述の作品"SongWithout Words:Ballads"や、シューマンにインスパイアされた"Pastorale"のような"これぞフレッド・ハーシュ!"という至高のメロディをたたえたナンバーはもちろんのこと、"Havana"のようなラテンの哀愁と情熱があふれるナンバーあり、映画音楽的な展開を見せる"Out Someplace (Blues For Matthew Shepard)"、また、ジャズの伝統に敬意を表したスウィンギーでブルージーな展開を見せる"The Big Easy"のようなナンバーまで多種多様。それらを、ヴィンスが作品の世界に寄り添って、アレンジ。また、バンドのメンバーの個性などを活かしたソロなどもフィーチャーしながら描き上げていきます。
そして、ラストは、感動の"The Orb (For Scott)"。本楽曲は、フレッドの長年のパートナー、スコット・モーガンに捧げた繊細な優しさがあふれる至高のバラード。初めて発表されたのは、音楽と朗読を融合させた舞台『My Coma Dreams』、のちに『Open Book』のオープニングにも収録されていますが、2008年に2ヶ月に渡る昏睡状態から目覚めた時に、球形(Orb)のように現れ見えた最愛のパートナーの顔にインスパイアされたという背景をもつ、これ以上にないハーシュの思いがあふれた楽曲。本ヴァージョンでは、フレッド・ハーシュのソロ・ピアノをたっぷりフィーチャーし、そこに、ヴィンスが管楽器アンサンブルでふくよかなハーモニーをつけ、劇的に描き上げ、アルバムは幕を閉じます。55分あまりのドラマ。21世紀の才能が響きあう一作です。
発売・販売元 提供資料(2019/04/19)