現代英国のアイコンで影響力のある、一筋縄ではいかない、インスピレーションを想起する、独創性に富んだ、先鋭的で扇動的、崇拝を集める、歯に衣を着せない、ロマンチスト――モリッシーというアーティストは一つの言葉では到底言い表すことが出来ない。NMEが「史上最も影響力のあるバンド」と評したザ・スミスのヴォーカルにして詩人である彼は、英国音楽シーンのカリスマとして、圧倒的存在感を誇っている。
そのモリッシーが新たなスタジオ・アルバムのリリースを発表した。本人のポートレイトをフィーチャーした眩いばかりのアルバム・カバーが目を惹くこのアルバムのタイトルは『CALIFORNIA SON』。モリッシーがこよなく愛する60年代、70年代の楽曲をカヴァーした作品だ。アルバムに収録されているカヴァー曲のレパートリーは、ジョニ・ミッチェルの「Don't Interrupt The Sorrow」からローラ・ニーロの「Wedding Bell Blues」、ボブ・ディランの「Only A Pawn In The Game」、フィル・オークスの「Days Of Decision」やメラニーの「Some Say I Got Devil」など実にヴァラエティー豊か。アコースティック・ナンバーが多いところや、約半分弱が女性アーティストの楽曲であることも注目したいポイントだろう。
アルバムからのリード・トラックとなるのは、ロイ・オービソンの「It's Over」。モリッシーのメランコリックなヴォーカルは、オリジナルの曲調と見事にマッチ。Billboard.comによると、ロイ・オービソンの息子、ロイ・オービソンJrもモリッシーのヴァージョンを"父を思い出す"と高く評価しているという。またこの曲には、シンガーソングライターのLPが、特徴的なヴォーカルで彩りを添えている。
「It's Over」以外にも、多数のゲストが本作に参加している。シングルとしてリリースされたローラ・ニーロの「Wedding Bell Blues」には、グリーン・デイのビリー・ジョー・アームストロングと、ザ・リグレッツのリディア・ナイト。ジョブライアスの「Morning Starship」には、グリズリー・ベアのエドワード・ドロストがフィーチャーされている他、ブロークン・ソーシャル・シーンのアリエル・エングル、ヤング・ザ・ジャイアントのサミーア・ガーディア、ぺトラ・ヘイデンなどがクレジットに名前を連ねている。
発売・販売元 提供資料(2019/03/27)