70年代から音楽だけでなく様々なフィールドで多面的な活動を展開していたアーティストの藤本由紀夫氏がVanity Recordsに残したノーマル・ブレイン名義の唯一作が再発!コルグやボスを駆使して作り上げられ、アーリー80sなムードがさく裂した、今だからこそなDIYエレクトロ黎明期の逸品!!ファミコンの夜明け前、ゲームセンターに嵐が吹き荒れていた8ビット黎明期の1981年に、『ロック・マガジン』『infra』『BIT』などでカルト的に知られた故阿木譲氏による伝説のレーベル「Vanity」が、後のチップ・チューンのひな形とも言える一枚の驚くべきレコードをリリースしていた。70年代から音楽だけでなく様々なフィールドで多面的な活動を展開していたアーティストの藤本由紀夫氏によるノーマル・ブレインの『Lady Maid』である。A面はコルグやボスを駆使して作り上げられた、いかにもアーリー80sなムードがさく裂した、今だからこそなDIYエレクトロのキラーを連発。B面は打って変わってKrankyファン直撃の長尺アンビエント。映画『Dark Star』のサントラ再発、モンド・クラシックス『Les Shadoks』やベルナール・パルメジャーニの未発表復刻、高田みどり『Through The Looking Glass』の世界発売などで何かと話題のスイスの新興ディガー系レーベル「WRWTFWW」によるリイシュー。
発売・販売元 提供資料(2019/03/05)
「音」をテーマにした作品を多数発表し現代芸術の最前線に立つ藤本由紀夫が活動のごく初期に行っていたプロジェクトがこのノーマル・ブレイン。クラフトワークの影響を受けたミニマルなコンピュータ・ミュージックはコニー・プランクがプロデュースしたかの如き諧謔精神が溢れる。故阿木譲主宰の伝説のレーヴェル、ヴァニティから1981年にリリースされていたものをスイスのWRWTFWWが再発。清水靖晃や高田みどりの再発でお馴染みでもあり、当然こちらも和レアリック的文脈での再評価ということになるが、ヴァニティの再発とあっては日本のNW界隈をフォローする向きにも当然快挙である。
intoxicate (C)片切真吾
タワーレコード(vol.140(2019年6月10日発行号)掲載)