2016年に惜しまれながらも57歳の若さで急逝、全世界のアーティストや音楽ファンに多大な影響を与え続けている孤高の天才=プリンス。グラミー賞7度受賞、12作品のプラチナ・アルバムを生み出し、アルバム累計1億2千枚以上のセールスを記録するスーパー・アーティスト、プリンスのカタログ再発第一弾!本作は、2004年発売の『ミュージコロジー』。当初ツアー来客者に無料で配布されたが、その後1999年以来初となるメジャー・レーベルからの共同リリースで大ヒットを記録、同名ツアーも大成功を収めた。 (C)RS
JMD(2018/12/07)
グラミー授賞式におけるビヨンセとのエネルギッシュなカラミは前哨戦だったのだろう……全編インストの『N.E.W.S.』に続くプリンスのニュー・アルバムは、『Purple Rain』(84年)~『The Gold Experience』(95年)のように彼がほぼ10年周期で作り上げてくる〈最大級にポップなプリンス〉の権化だ。ほぼ全編を独力で作り上げ、JB流儀の表題曲、土臭くドライヴするロックンロール“Cinnamon Girl”など瑞々しい好曲が駆け抜けていく。キャンディのコーラスをウェンディ&リサのように響かせた“Life 'O' The Party”などでは、あえて封印してきたような愛すべき手クセもサーヴィス解禁! 中盤~後半のプログレ組曲的なめくるめく展開も素晴らしいし、ファンクの密室も、スロウでの懇願も、“Holy River”系のメランコリーも、ギターの神々しい嗚咽もすべて本作には用意されていて、アッと言う間に終わってしまう。完璧。参った!
bounce (C)出嶌 孝次
タワーレコード(2004年05月号掲載 (P74))