アメリカのギタリスト/コンポーザーDavid TornのECM3作目。2007年のカルテット作品『prezens』、そして2015年のソロ作『Only Sky』をこれまでリリースしてきたが本作ではアルト・サックスにTim Berne、ドラムスにChes Smithを加えたトリオを中心に20分以上の壮大なトラックを3曲演奏。2曲目には追加2本のギター、キーボードとストリング・カルテットを加え、映画を見ているかのようなスリリングに展開するサウンドをを実現。
発売・販売元 提供資料(2019/02/14)
初期ECMらしい即興演奏によるアルバムと言いうと語弊があるかもしれないが、オールド・スクーラーにはたまらないノイズがここにはある、ということは伝わるかもしれない。無音の次に美しい音を提供するレーベルというECMのイメージは容易に透明度の高い響きを連想させがちだけれど、概念的には無音の隣にあるべきものはノイズだったりするのだ。デヴィッド・トーンとティム・バーンそれにチェス・スミスというフォーメイションは、こうしたECMにつきまとう隠された波乱と混乱をナイーヴに表出する。どこにいるのかわからない、喪失感や前後不覚の感じこそが、ノイズと無音が持つ、醍醐味と確認。
intoxicate (C)高見一樹
タワーレコード(vol.138(2019年2月10日発行号)掲載)