謎めいた匿名性を纏いつつシーンで存在感を確立したシンガーの楽曲集(EP収録曲をまとめたもの)がグラミーの季節に合わせてCD化。SZAやジェネイ・アイコらと同様に、ブルーでダウナーなテイストがR&Bの主流の一つとなったことを示す内容だが、甘美なメロディーや歌声そのものの魅力はむしろオーセンティックな感覚に基づいている。10年代後半のR&Bにおけるマイルストーンとして刻まれる重要盤であるのは間違いない。
bounce (C)池谷瑛子
vol.424(2019年2月25日発行号)掲載(2019/02/25)
R&Bの未来を担う圧倒的才能。
第61回のグラミー賞で新人、アルバムの主要2部門を含む計5部門にノミネートされ、一躍脚光を浴びるシンガーソングライターH.E.R.。DJキャンパーと創り上げる90年代後半~00年代前半のR&Bからの影響を感じさせるメロディや歌の際立ち方は懐かしくもあり新鮮な感覚をもたらす。とりわけ、ダニエル・シーザーとのデュェット『Best Part』は近年屈指の名曲だ。2018年のアンセム『Bod's Up』でヒロインとなったエラ・メイと共に、今後の音楽シーンを革命的に先導していく存在となるであろう。
(C)新潟店:河田 良介
タワーレコード(2019/02/15)
第61回グラミー賞の主要2部門(『最優秀新人賞』『最優秀アルバム賞』)を含む計5部門にノミネートされている、新進女性シンガー=H.E.R.(ハー)。13歳の時に<BET Awards>でパフォーマンスするなど若くして大きな舞台で経験を積み、"アリシア・キーズの再来"と言われるほど大きな注目を浴びてきた。その後マライア・キャリー、ジョン・レジェンド、クリス・ブラウン等を手掛けてきた人気プロデューサー=DJキャンパーのバックアップの元、2016年にEP『H.E.R. Vol.1』でデビュー、<Forbes><Rolling Stone>をはじめとする世界中の主要音楽メディアも絶賛するなど大きな注目を集めた。今作は『最優秀アルバム賞』にもノミネートされ、アナログレコードと配信のみで大ヒットを記録しているデビュー・アルバム『H.E.R.』であり、日本先行でCDを発売する(世界初CD化)。『最優秀R&Bソング賞』にノミネートされたシングル「フォーカス」他、シンガーソングライターのダニエル・シーザーを迎えたヒット曲「ベスト・パート」などを収録。 (C)RS
JMD(2019/01/17)