1973年生まれ。ミュージシャンとしてはもちろん、ファッションやアートの分野でもアイコンとしてその名を知られるスーパー・マルチ・アーティスト。ザ・ネプチューンズの名前で、JAY-Zやネリーらヒップホップ勢からブリトニー・スピアーズまで幅広いアーティストの作品に携わる。2013年、「ゲット・ラッキー/ダフト・パンク」、「ブラード・ラインズ/ロビン・シック」のメガ・ヒットを経て、8年ぶりとなるソロ・アルバムを発表。先行シングル「ハッピー」は10週連続全米シングル・チャート1位をはじめ世界各国のチャートを制覇した。ダフト・パンクやジャスティン・ティンバーレイク、アリシア・キーズらがゲスト参加している。 (C)RS
JMD(2019/01/26)
独自性と先鋭性を誇った一昔前の影は薄くなっているものの、ヒット請負人としての存在感は増すばかりのファレル。この8年ぶりのソロ2作目では、そんな自身が生んできた楽曲のスタイルをセルフ・リメイクしつつ、現行シーンに通底するブギーやソウルのムード(それは自身が関わったダフト・パンクやロビン・シックのヒットが生んだものでもあるが)を巧みに塗した印象だ。そのムードの一端を担ったジャスティン・ティンバーレイクを迎えてのMJオマージュからマイリー・サイラスとの殿下調ファンクまで、〈ガール〉にまつわる曲ばかりの、〈ハッピー〉な部分を真ん中に据えた、迷いのない楽しさに満ちた内容は、孤高の天才からポップ職人へと変化してきたファレルのひとつの集大成とも言えるものだろう。
bounce (C)池谷昌之
タワーレコード(vol.366(2014年4月25日発行号)掲載)