1952年生まれ、メンフィス、ニューオリンズで育ち、ベテラン・ピアニストの一作。カル・ジェイダーのグループに参加し、キャノンボール・アダレイ、トム・ハレル、ソニー・ロリンズ、ナンシー・ウィルソンのバンドでも活動。90年代半ばには、日本盤のリリースで、スイングジャーナル、ゴールドディスクも受賞し、ピアノ・トリオの人気高い日本でも、大きな話題になったもの。その筋のファンにはおなじみといえるでしょう。その後もコンスタントに活動して、作品をリリースしていたものの、2015年、癌により重篤な状況に陥ったとのこと。一時は昏睡状態に陥り、命も危うかったとのことです。しかし、奇跡的に助かり、なんと、ここに復帰を果たしました。
録音はマンハッタンのヤマハ、ピアノ・サロンでのライヴ。音質的にも申し分ない環境の中、ベン・アリソンをベースに、アラン・メナードをドラマーに迎えたトリオ演奏は、快活そのもの。マイケル・ウォルフ曰く、"生活に対しても、芸術に対しても、病を境に自分の見方は変わって、発展し、熟成し、広がりをみせると共に、同時に集中するようになった"とのことですが、音の世界からも、その心境があふれています。伝統的な演奏を基礎としつつ、もともと、POPさも持ったクロスオーバーな演奏をみせていたピアニストであり、本演奏はその延長線上でありながら、心境の変化によるのか、喜びに似たような勢いも音からあふれ出ています。POPでメロディアス、グルーヴ感のあるピアノ・トリオ演奏です。
発売・販売元 提供資料(2018/12/14)