Daughterのエレナ・トンラのソロ・プロジェクト。
NYのインディシーンとも共鳴するUK発3ピースバンド、ドーターの紅一点、エレナ・トンラによるソロ・プロジェクト=EX:RE(エクス:レイ)、〈4AD〉レーベルからリリース。まるで夢の中にいるようなシンフォニックなサウンドプロダクションに、透明感のある乾いたボーカルとギターやピアノ、そしてチェロのオーガニックなメロディが美しく響き合う粒揃いの楽曲を収録した珠玉の一枚。
(C)八王子店:東 俊治
タワーレコード(2019/03/02)
コクトー・ツインズやディス・モータル・コイルが築き上げた耽美で幽玄なサウンドスケープに退廃的な世界観で人気のレーベル〈4AD〉の意思を継承する英国ロンドンのバンド、ドーター。デビュー作『If You Leave』(2013年作)、2作目『Not To Disappear』(2016年作)の大ヒットにより確固たる人気・実力を獲得し、最近ではRSD2018にリリースしたゲーム音楽作品『Music From Before The Storm』が即完するなど、ここ日本でもインディー・ファンを中心に絶大な支持を得ているバンドの、ヴォーカルであり紅一点のフロント・ウーマン、エレナ・トンラがエクス・レイ名義でソロ・デビュー作をリリース!〈4AD〉の社内エンジニア兼プロデューサーのファビアン・プリンや、以前ドーターの作品にアレンジで参加した作曲家ジョセフィン・スティーブンソンがチェロとボーカルの一部で参加した本作は、まるで夢の中にいるようなシンフォニックなサウンドプロダクションに、透明感のある乾いたボーカルとギターやピアノ、そしてチェロのオーガニックなメロディが美しく響き合う粒揃いの楽曲を収録。ネーミングとなったプロジェクト名エクス・レイは、「Regarding ex (元カレについて)」と「X-Ray(レントゲン)」と言う意味で、その中に本当に何があるのかと言う意味を持って名付けるなど、非常にパーソナルなアルバムで、切迫感とカタルシスの必要性が両方詰まった作品である。
発売・販売元 提供資料(2018/12/27)
インディー・ファンから絶大な支持を得ているドーターより、ヴォーカリストのエレナ・トンラがエクス・レイ名義で初のソロ・アルバムをリリース。4ADの伝統芸とも言える耽美的な音像が持ち味の本隊と同様、ギター、ピアノ、チェロを軸としたプロダクションによって素朴かつ親密な空気を醸し、随所で微睡むようなサイケデリアを創出している。特に先行シングル"Romance"は、徐々に聴き手を高ぶらせる幽玄&壮大なアレンジと、終始どこか物悲しい歌声のコントラストが美しい良曲だ。全体としては〈アシッド・フォーク〉と形容できるスタイルだが、"I Can't Keep You"のリズム・パターンにはジャズの要素が見い出せたりと、多彩な音楽性が顔を覗かせる点も見逃せない。
bounce (C)近藤真弥
タワーレコード(vol.422(2019年1月25日発行号)掲載)