ホレス・シルヴァーやキャノンボール・アダレイのグループでの素晴らしいプレイぶりで名を上げたルイス・ヘイズは、その後キャノンボール・アダレイ・バンドの同僚だったサム・ジョーンズと共にオスカー・ピーターソン・トリオのメンバーとなって活躍を続け、60年代末以降はフレディ・ハバードなどの下でプレイした後にリーダーとしての活動を次第に増やしていきました。そして70年代後半にはウディ・ショウと双頭グループを結成し、76年3月にはヨーロッパを訪れます。そのツアーでのプレイぶりはこれまでHighNote盤『The Tour, Vol.1』、『同,Vol.2』で聴くことができましたが、今回Jazzline から"Onkel Po's Carnegie Hall"シリーズのひとつとしてリリースされたこの2枚組CDには、このツアー中、3月11日にハンブルグの同クラブで行ったパフォーマンスが7 曲収められています。冒頭の「All The Things You Are」だけはHighNoteの『The Tour, Vol.2』でも聴くことができましたが、残る6曲はこれが初登場。ニューヨークに戻って5 月に録音する名盤『Ichi-Ban』収録の3曲(「Ichi-Ban」、「Moontrane」、「Pannonica」)をすでに演奏していたという貴重な記録となっていることはもちろん、このグループによる「WhenSunny gets Blue」、「Moment to moment」、「For Nothing」の演奏はここでしか聴くことができません。いずれの曲でもリーダーふたりは緊張感に満ちたプレイを繰り広げていますが、残るジュニア・クック、ロニー・マシューズ、スタッフォ-ド・ジェイムズの3人もそれぞれのベストを尽くして存在感を発揮しています。モーダルな「Moontrane」やモンクの「Pannonica」なども圧巻の演奏ですが、クックをフィーチュアしたバラード「WhenSunny gets Blue」のしっとりとした味わいもたまりません。
発売・販売元 提供資料(2018/12/27)