ノルウェーのオルガニスト、
ビルケランによる3人の現代作曲家作品
ノルウェーのオルガニスト、ラーシュ・ノットー・ビルケランと打楽器奏者アイリク・ラウデは、オルガンと打楽器のためのプロジェクトを共同で進めてきました。ノルウェー作曲家協会のレーベルAuroraの新しいアルバム『アクロスティック』には、同世代に属し、ノルウェー国立音楽大学のフィン・モッテンセンの作曲法クラスで学び、演奏家としての教育を受けた3人の作曲家が彼らのために作曲した協奏曲が収録されています。ビョルン・クルーセ(1946-)は、クラリネットとサクソフォーンを学んだ後、ノルウェー国立音楽大学で作曲法を修めました。オルガン、打楽器と弦楽オーケストラのための協奏曲《アクロスティック》は、2007年に予定されたファーゲルボルグ教会の新しいオルガンの奉献式のために委嘱され、作曲の遅れから、2012年になって初演された作品です。「アクロスティック(折句)」(行頭、行末、あるいは中間の文字から「語」ができる詩や韻文)の曲名は、「行を横にたどるだけでなく音を立体として聴く」ことを示唆するためつけられました。シェル・サムコフ(1952-)は、作曲家、打楽器奏者として活動しながら、ノルウェー国立音楽大学の打楽器科の教授を長年務めました。《ヴィブラフォーンと弦楽のための協奏曲第2番》は、彼のクラスで学んだラウデから委嘱を受けた作品です。数秘学に関心を寄せるというサムコフは、ラウデのファーストネーム"Eirik"に因む「5-9-9-9-2」の数列に基づいて構成とリズムなどの要素を決めて作曲。演奏者ラウデは「直感」で作品と向き合い、サムコフが書いた5楽章の音楽が、数列を脱した「ゲーム(遊び)」だということを示してみせます。シェル・ハッベスタ(1955-)は、教会音楽家の教育を受け、その後、作曲の学位を取得しました。《アヴェ・マリア》は、グレゴリオ聖歌の「受胎告知」のセクエンツァをベースに書かれた協奏曲です。〈アヴェ・マリア〉〈ベネティクタ・トゥー(Benedicta tu)(祝福は女のあなたと)〉〈アレルヤ(Alleluia)〉の3曲。終曲の天使の言伝のセクエンツァは、この録音では「ヴォクス・クラマンティス」が受け持っています。2017年10月、カイ・グリンデ・ミューラン指揮のノルウェー放送管弦楽団が共演、ファーゲルボルグ教会でのセッション録音です。(1/2)
キングインターナショナル
発売・販売元 提供資料(2018/09/26)
<ラーシュ・ノットー・ビルケラン(1969-)>
ノルウェー国立音楽大学でハーラル・ヘッレスタールにオルガンを学び、卒業後、ギィ・ボヴェとコーレ・ノールストーガに師事。1998年、オスロ大聖堂でデビュー・コンサートを行い、プーランクの協奏曲とサン=サーンスの交響曲第3番をオスロ・フィルハーモニックのコンサートで演奏しています。2003年から2014年までファーゲルボルグ教会、2014年からアーケシュフース城教会のオルガニストを務めています。ジャン・アランのオルガン作品全集(Simax PSC1314)が代表的録音。
<アイリク・ラウデ(1973-)>
ノルウェー国立音楽大学、ロッテルダム音楽院、イェール大学で打楽器を学び、ソリストとして活動し60を超す作品を初演してきました。ヌアゴー、マグヌス・リンドベリ、マーク・アダリーの作品を演奏した『易経(I Ching)』(Simax PSC1255)、シェルブレードの作品集『波動と中断』(2L103PABD)をリリースしています。
<カイ・グリンデ・ミューラン(1987-)>
ノルウェー国立音楽大学でオーレ・クリスチャン・ルードに学び、2013年、《春の祭典》を含むプログラムの修士号コンサートでノルウェー放送管弦楽団を指揮しました。2013年から2015年までベルゲン・フィルハーモニッくとスタヴァンゲル交響楽団の副指揮者。2010年、作曲家のマッティン・ラーネ・バウクとマッティン・オーデゴールと一緒に新音楽アンサンブル「Aksiom(アクシオム)」を設立しています。トロンハイム・シンフォニエッタのアルバム『マントラ』(BIS SA2340)が最近リリースされました。(2/2)
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発売・販売元 提供資料(2018/09/26)