USフォークの良心。カート・ヴァイルの7作目。
USインディー・シーンを代表する本格派S.S.Wとなったカート・ヴァイルの3年ぶりの新作。ロック~アメリカーナ〜フォークといった要素を独自の浮遊感とサイケデリックなサウンドで聴かせる、ジャケットさながら60〜70's名盤的な佇まい。穏やかな歌声と随所で聴かれる軽やかなアレンジが心地良い作品。
(C)新宿店:寺本 将己
タワーレコード(2018/10/29)
ザ・ウォー・オン・ドラッグスの初代ギタリストとして活動をスタートし(2009年に脱退)その後ソロ・アーティストとしてキャリアを重ね、4thアルバム『Smoke Ring For My Halo』(2011年作)で一躍USインディー・シーンを代表する本格派シンガー・ソングライターとして人気を集めたカート・ヴァイルが7作目を<MATADOR>よりリリース!2017年にはグラミー賞ノミネート経験もあるオーストラリアの女性シンガー・ソングライターのコートニー・バーネットとのコラボレーション作も話題となったが、ソロ・オリジナル作としては『B'lieve I'm goin down...』(2015年作)以来実に3年ぶりとなる新作。
ショーン・エヴァレット(アラバマ・シェイクス、ザ・ウォー・オン・ドラッグス)やピーター・カティス(インターポール、ザ・ナショナル)といった敏腕プロデューサーを迎え、曲ごとにロサンゼルスやポートランド、ブルックリンといった場所を変えながらレコーディングされた本作は、逆再生したギターのサウンドをベースに、サイケデリックで穏やかな歌声で繰り返し歌う9分越えの大曲「Bassackwards」(M-4)や、俳優ケヴィン・コリガン(グッドフェローズ、ザ・デパーテッド)がMVに出演したことでも話題の先行曲「Loading Zones」(M-1)など、カート・ヴァイルの代名詞でもあるロック~アメリカーナ~サイケデリック~フォークの要素が絶妙にブレンドされたサウンドと美しいコーラスを随所に取り入れた内容に完成。
発売・販売元 提供資料(2018/09/12)
周囲の期待にあえて肩透かしを喰らわせるようにフォーキーな作風となった前作から一転、3年ぶりにリリースするニュー・アルバムでは、サイケなトーンを基調とした奔放なギター・プレイが復活。タイトル・トラックをはじめ、長尺曲の数々がジャム・セッションから生まれたことを想像させ、特にリズム面ではさまざまな実験の跡が窺える。もはやお馴染みと言ってもいいウォーペイントのステラの客演も印象に残る。
bounce (C)山口智男
タワーレコード(vol.420(2018年10月25日発行号)掲載)