2004年にリリースされた、知る人ぞ知る黄昏の名作『Circles』がリリース10年を記念し、2014年に再発され、異例のロングセラーとなった、Lori Scaccoが14年ぶりとなる新作を完成。長い年月を経て様々なものを吸収し熟成された彼女の音楽性は、『Circles』の静謐な浮遊感を生かしつつ、エレクトロニクスと実験性が絶妙のバランスで融合し、聴き手を包み込んで行き、アルバムを通じて、まるで旅をしているかのような感覚に没入させる傑作。
Lori ScaccoはかつてToo Pureから作品をリリースしていたシューゲイザー~ドリーム・ポップ系バンド、Seelyのピアニスト/ギタリストをつとめ、現在はSavath y SavalasのメンバーであるEva Puyuelo Munsとのデュオ、Stormsとして、さらにはHelado Negroのライヴ時のバンド・メンバーとしても活動している女性アーティストである。2004年にPrefuse 73こと、Guillermo Scott Herren主宰のEastern Developmentsからリリースされた『Circles』は知る人ぞ知る名作として一部で人気を博していたが、2014年にリリース10周年で再発されると、異例のロングセラーとなった。本作『Desire Loop』は彼女の14年ぶりの新作である。『Circles』は必要最小限のアコースティックな音色とナチュラルな残響で彩られた秀作であったが、本作ではその静謐な浮遊感と温かみを生かしつつ、泡立つようなシンセのレイヤーに時折ビートも織り交ぜながら穏やかで甘美なトーンが揺らめきながら展開するサウンドはミニマル~アンビエント~ドローン、そしてニュー・エイジ~エレクトロニカまでを横断して行くかのような一大音楽絵巻。ひとたび聴き始めれば引き込まれる傑作だ。日本のみでCD化。解説付き。
発売・販売元 提供資料(2018/10/04)
2004年にPrefuse 73のレーベルよりリリースされた『Circles』は知る人ぞ知る名盤として語り継がれていた。当時のシカゴ音響派~エレクトロニカなど同時代の音楽をアコースティックに独自にトレースした様な音像は、今聴いても全く古びておらず、2014年に復刻した際はその先進性、普遍性に改めて驚かされた。本作は14年振りとなる新作で『Circles』の時の独特な語り口は踏襲しつつも、よりエレクトロニクスにフォーカスし、かつ近年のニューエイジ的な動向も視野に入れたサウンドに仕上がっている。
intoxicate (C)池田敏弘
タワーレコード(vol.136(2018年10月10日発行号)掲載)