“ピアノの貴公子"トム・オデール、2年ぶりとなる3rdアルバム 『Jubilee Road』
英マンチェスター出身のシンガーソングライター、トム・オデール。2012年にColumbia傘下の InThe Name Of (リリー・アレンが創設したレーベル)と契約し、2013年6月にアルバム『Long WayDown』にて世界デビュー。「心を惹きつける生命力に満ちた声」(NME)「心を掻き立てる傷心のピアノ・バラード」(Daily Star)と各方面で絶賛を浴びた。アルバム発売直後の2013年7月には早くもフジロックで来日。時にメランコリックに、時に激しく、自身の感情を鮮烈に表現するパフォーマンスが大きな話題となり、日本のファンにも熱狂的に迎えられた。2016年6月に2ndアルバム『Wrong Crowd』を発売。力強くも優しくて切ないトム・オデールの歌声とピアノの美しいメロディーとバンドサウンドが見事に融合。UKチャート初登場2位を獲得した。2年ぶりとなる3rdアルバムのタイトル『Jubilee Road』は、架空のストリートの名前。静かな環境に囲まれたイースト・ロンドンにあるトムのテラス・ハウスで曲作りが行われ、詞の内容も自分自身の身近な出来事を取り上げた、今までで最もパーソナルなものとなっている。アルバムからの先行シングルとなる「Half As Good As You」はドイツの女性シンガーAlice Mertonをフィーチャーした、トム・オデールらしいピアノの旋律が美しいバラード曲。27歳となり、サウンド的にも詞の表現にも更に深みを増した珠玉の11曲。秋に夜長におすすめのアルバムです。
発売・販売元 提供資料(2018/09/18)
2年ぶりの3作目。前々から彼の歌には繊細そうでいて力強さがあったが、とりわけ今作は曲調も歌唱もピアノ演奏も生気が漲っている。ホーンを加えた厚みのあるバンド・サウンドで高らかに歌い上げる"Son Of An Only Child"などは、ソウルの昂揚感に満ちていたりするほどだ。アリス・マートンをフィーチャーしたリード曲の、2人の声の重なりも情熱的。前作に比べて遥かにシンプルなプロダクションが功を奏している。
bounce (C)内本順一
タワーレコード(vol.421(2018年11月25日発行号)掲載)