デイヴ・リーブマン、マーク・コープランド、ドリュー・グレス参加!1945年マイアミ出身のドラマー/ 大学教授/ 作家のMichael Stephans率いるカルテット"Quartette Oblique"のデビュー作。2017年6月3日ペンシルベニア州デラウェアにある"Deer Head Inn"というジャズクラブ(キース・ジャレットの『At the Deer Head Inn』でも知られる)でのライヴ録音である。Michael Stephansはデイヴ・リーブマン、ジョー・ロヴァーノ、アラン・ブロードベントをはじめ、数多くのトップ・ミュージシャンと共演・レコーディングを重ねる実力者である。
Stephans曰く、リーブマンとは2004年に出会い、以来十数年に渡りインスピレーションを受け続けているという。マーク・コープランドとはこのバンドで初めて出会ったが、少なくとも20年以上は影響を受けており、Stephans自身の人生の一部になっていると言えるほどだそう。そしてリーブマンとコープランドの二人と親交の深いドリュー・グレスを迎えることで、この音楽に類を見ないサウンドをもたらしてくれたとのこと。楽曲はマイルスが3曲、デューク・エリントンが1曲、スタンダードの"You The Night And The Music"に、グレスのオリジナルが1曲。そして2017年に亡くなったジョン・アバークロンビーの楽曲を取り上げているところも興味深い。1曲目"Nardis"から自由かつ繊細なアンサンブルで、音楽が流れるように展開していくエネルギッシュな演奏!ひたすら美しい2曲目"Vertigo"は、亡きジョン・アバークロンビーの楽曲で、特に親交の深かったリーブマン、コープランド、グレスの特別な想いが感じられる。"In A Sentimental Mood"は少々不穏なハーモニーから始まり、美しくもどこかダークな雰囲気で、楽曲の新たな一面を引き出す。また13分にも及ぶ白熱の"So What"なども聴き応えあり!バンド名の中の"Oblique"は"斜め"の意味。一筋縄ではいかないこのバンドの音楽性を端的に表している。静かな場面では食器の当たる音が聞こえるほど、ライヴ・レコーディングならではの空気感が十二分に伝わる良作!
発売・販売元 提供資料(2018/08/30)
ドラマー/大学教授/作家の三足のわらじを履くマイケル・ステファンズのもとに、デイヴ・リーブマン(sax)マーク・コープランド(p)ドリュー・グレス(b)という現代最強のコンテンポラリー・ジャズの旗手が集合。ここにはフリージャズの時代さえ超えるハイテンションなミュージシャン魂とコルトレーン=マイルスが残したジャズメンとしての矜持を保ち続ける4人がいる。ライヴでの完成度の高さは、多くの若手ミュージシャンを霞ませる。コープランドも「ものの違い」を嫌というほど見せつけ容赦ない情念を爆発させ、ジャズ喫茶全盛時代を知るファンをも魅了する。マイルス3曲エリントン、アバークロンビー1曲の選曲も光る。
intoxicate (C)瀧口秀之
タワーレコード(vol.136(2018年10月10日発行号)掲載)