ベルリンフィルの希少レコード。オスカー・フリート1928年録音の「シェエラザード」と「火の鳥」を収録。 (C)RS
JMD(2018/08/10)
ベルリンフィルの希少レコード
オスカー・フリート
1928年録音の「シェエラザード」と「火の鳥」
ベルリンフィルの希少レコード オスカー・フリート、1928年録音の「シェエラザード」と「火の鳥」1951年にLPレコードが発売され、針音が少なくて当時のラジオ放送やSPレコードの2倍以上の広帯域による音の良さによってHi-Fi(高忠実度)音響の時代が始まりました。当初は輸入盤販売のために庶民には高嶺の花であったLPレコードも、5年後にはSPレコードの4倍程に安価になり続いて1000円盤が発売されて普及が加速しました。その様な中、LPレコード自体もHi-Fiを誇示する様な録音が競って発売される様になり、シンバル等の打楽器がきらびやかに鳴り響き、金管楽器がバリバリ鳴って高音弦楽器が冴えわたり、低音弦楽器が唸る様な曲が好んで録音されました。その中でショウピースたる曲がR・コルサコフ/「シェエラザード」でした。私が最初に驚嘆した「シェエラザード」のレコードはオーマンディー/フィラデルフィア管弦楽団による1953年録音コロムビア盤でしたが、その後アンセルメ/スロマンド管弦楽団、バーンスタイン/ニューヨークフィルハーモニー交響楽団、それにムードミュージックの大御所・モートングールドオーケストラ、そしてフリッチャイ/ベルリン放送交響楽団によるドイツグラモフォン盤などを楽しんだのですが、ベルリンフィルハーモニー管弦楽団のものはカラヤンとマゼール指揮の2枚のみ、それらの演奏はさほど成功している様には聞こえません。それでも同オーケストラの演奏記録ではフルトヴェングラーも指揮しています。そこに思いがけなく希少なベルリンフィルのレコードを入手しました。1928年に今は忘れ去られているオスカー・フリートが指揮したSPレコードです。フリートはワルターやフルトヴェングラーと同時代のドイツの指揮者で、マーラー/交響曲第2番「復活」やブルックナー/交響曲第7番などを世界初録音しています。その中の何枚かはGHA-CD化しましたが、非常に優れた指揮者だと実感しており、同時期に入手したストラヴィンスキー/「火の鳥」と併せて蘇刻しました。これらのレコードは盤面が非常に良好で、カーボンマイク録音ながら約7kHzの周波数帯域があるので、クリスタルピックアップ付きの蓄音機でLPレコードを再生したのと同等の音質を楽しむ事ができて、度胆を抜かれる事と思っています。(1/2)
発売・販売元 提供資料(2018/08/08)
◎制作者のバイオグラフィー
1967年九州大学大学院を修了。日本ビクター(株)研究所・音響情報研究室長、武蔵工業大学・教授、東京大学先端科学技術研究センター・客員研究員等を歴任し、2018年現在は日本女子大学文学部・客員研究員として音文化の研究に従事している。高校時代よりオーディオに取り組み、大学・大学院で電子通信工学を学んで、日本ビクター(株)に入社後は研究所に所属して10年以上に亘って録音スタジオと連携して音楽録音技術とアナログレコードの研究に取り組み、高品質レコードの研究で工学博士を取得、また、多くの録音セッションに参画してトーンマイスターの技量を修得した。研究開発領域では真空管を含むアナログ電子回路と回路網理論、そして信号理論を専門として音響用特殊電子機器の研究開発に携わり、ディジタルオーディオ時代以降は大学時代の音声合成認識研究の延長としてディジタル信号処理に取り組み非調和周波数解析GHAの研究を行なった。大学では音響工学と電子回路工学の研究・教育に携わり、GHA蘇刻の実用化を行なっている。大学時代から吹奏楽とオーケストラに参加してプロの音楽家との交流を通じて音楽を独学し、業務で修得した録音技術を駆使して60枚以上のGHA蘇刻CDを含む240枚を越えるCDを制作して今日に至っている。(2/2)
発売・販売元 提供資料(2018/08/08)