生前のプリンスが"雪をも溶かすほどの暖かな歌声"と絶賛したシンガーソングライター/ピアニスト、キャンディス・スプリングスの2016年にリリースしたデビュー・アルバム『ソウル・アイズ』以来、約2年ぶりのアルバム。今作はカニエ・ウェストやコモン、エリカ・バドゥなどを手がけてきたドラマー/ヒップホップ・プロデューサーであるカリーム・リギンスがほぼ全曲をプロデュース。前作よりよりソウルフルかつ、よりオーガニック。前作に続いて、ノラ・ジョーンズ「ドント・ノー・ホワイ」の作者、ジェシー・ハリス作の新曲をはじめとするオリジナル楽曲から長年ライヴで歌ってきたロバータ・フラックの名曲「ザ・ファースト・タイム・エヴァー・アイ・ソウ・ユア・フェイス」、ザ・スタイリスティックス「ピープル・メイク・ザ・ワールド・ゴー・ラウンド」、ドレイクがサンプリングし人気となったガブリエル・ガルソン・モンターノの「6 8」などのカヴァー曲なども収録。 (C)RS
JMD(2018/07/27)
大半のプロデュースをカリーム・リギンスに委ね、後見人のSRPコンビも要所で援護した2作目。アメリカーナ寄りだった前作からのナチュラルな変化は、ローズを弾いて歌う冒頭の"Don't Need The Real Thing"からも明白で、オーガニックな意匠がソウルフルで凛々しい気品を豊かに彩っている。かつて殿下の前で披露したロバータ・フラック"The First Time Ever I Saw Your Face"をはじめとするカヴァーも素晴らしい。傑作。
bounce (C)出嶌孝次
タワーレコード(vol.418(2018年8月25日発行号)掲載)