ニルス・ペッター・モルヴェルとスライ&ロビーとによるサイド・プロジェクト"ノルダブ"至極のリズムを得た、フューチャー・ジャズの進化形。北欧のフューチャー・ジャズシーンを代表する孤高のトランペッター ニルス・ペッター・モルヴェルとジャマイカが世界に誇るプロデューサー・チームで'リズム・ツインズ'と称される名リズム隊スライ&ロビーとの出会いが生んだ『ノルダブ』。優れたミュージシャン同士お互いを認知しながらも出会う機会が無かったものの、ジャマイカとノルウェイ、そしてジャンルも異なる双方が2015年7月、フランスで行われた或るフェスティバルでの共演することに。そこでの快心のパフォーマンスをきっかけに以来2016年はこの編成でツアーをし、そこで誕生した曲をひっさげてオスロにて今作のレコーディングに至った。モルヴェルのミュートされたトランペットが生み出す、ダーク・アンビエントでカオティックな世界に、超絶テクのリズムが加わることで、テクノやサイケの様相が大きく打ち出されている。ノルウェイのエイヴァン・アーセット(G)、フィンランドのヴラディスラヴ・ディレイも参加。 (C)RS
JMD(2018/06/23)
レゲエ界を代表するリズム隊のスライ&ロビーと、ノルウェーのトランペッターであるニルス・ペッター・モルヴェルという異色の組み合わせ。ニルスは以前もモーリッツィオとコラボしていて、レゲエ/ダブへの興味は相当ある模様。アンビエントでアヴァンギャルドなニルスの世界観にスラロビのタフなリズムが溶け込んだ形で、霧に包まれた音像の奥でトランペットが妖しく鳴り響く。ヴラディスラヴ・ディレイの参加も効果的。
bounce (C)池田謙司
タワーレコード(vol.414(2018年4月25日発行号)掲載)
ノルウェーの鬼才トランペッター、ニルス・ペッター・モルヴェルが、あのスライ&ロビーとコラボ。一見異色のこのコラボだが、恐ろしいほどに完成されたその世界観に必然性を感じずにはいられない。音数を極力まで抑えて説得力のある一音を繰り出すモルヴェルのミュートされたトランペットが、サイケデリックなサウンドと極上のリズムによってある種の神聖な空気感をもたらし、聴けば聴くほどそのサウンドの深みに引き込まれていく。様々なジャンルへ接近していった70年代以降のマイルス・デイヴィスのように、ジャズの新たな可能性を提示する一枚。
intoxicate (C)栗原隆行
タワーレコード(vol.133(2018年4月20日発行号)掲載)