Jディラ以降のビートメイカー/ドラマー/プロデューサーの3rdアルバム。浮遊感溢れるウワモノでメロウネスを演出しながら、最新のブラックミュージックを踏襲したビート感はまさに現代のAOR~シティポップスと云える内容。大沢誉志幸”そして僕は途方に暮れる”をほうふつとさせる(3)やファンキーなベースラインが引っ張る(5)、山下達郎”甘く危険な香り”を下敷きにしたような(7)など、世界標準のサウンドメイクを聴かせてくれます。
(C)新宿店:TANAKAMAN
タワーレコード(2019/06/06)
プロデューサーとして、あるいはプレイヤーとしてその名を聞かない日がないほど話題に事欠かない音楽家による6年ぶりのソロ・アルバム。ゲストは極力シンプルに留め(作詞でアジカン後藤正文が、ヴォーカルでAchicoとCharaが参加)、これまで同様にすべての楽器を一人で演奏し、ヴォーカル、ミックスも自ら行なった結果、非常にパーソナルな、しかし極めて自然体なポップスに仕上がった。ヒップホップのグルーヴとチルウェイヴのアンビエンスをほのかに纏ったサウンドメイクは熟練度を増し、ますます形容しがたい領域に。一方、歌詞が全編日本語になったことで言葉の面では輪郭がくっきりした印象。ふとしたときにmabanuaのドリーミーな歌声がより意味性を帯びて耳に入ってくる感覚はとても新鮮。
bounce (C)南波一海
タワーレコード(vol.418(2018年8月25日発行号)掲載)