私の心が宿る世界は、私の心の中にあるーーこの考えがアルバム『Heavenand Earth』を作るインスピレーションとなった。私たちが経験する現実は、我々の意識が作り上げたものに過ぎないが、そもそも我々の意識は、その経験をもとに現実を作り上げる。私たちは自らの宇宙の創造者であると同時に、自らの宇宙の創造物でもある。本作における『Earth』のパートは、私が"外向き"に見る世界を表現している。つまり私が存在している世界である。『Heaven』のパートは、私が"内向き"に見る世界、つまり私の中に存在している世界を表している。私が何者であるか、そしてどんな選択をしていくのか。その答えは、それら2つの世界の間にある。- カマシ・ワシントン
新世代ジャズ黄金期の象徴として、特別な存在感を放ち続けるカマシ・ワシントンが、2015年のデビュー作『The Epic』に続く、待望のセカンドアルバム『Heaven & Earth』をリリース。2時間半にも及ぶ本アルバムは『Earth』盤と『Heaven』盤の2枚組(アナログは4枚組)で構成されており、カマシは現実世界と宇宙とを衝突させ、その心理に迫る。世界の構造についての自身の考えをさらに探求した本作では、現状の世界的混沌に対する彼の考察と、彼が抱く未来へのヴィジョンが探求されている。
発売・販売元 提供資料(2018/04/16)
US西海岸で隆盛を極める新世代ジャズの中心人物による3年ぶりのフル・アルバム。今回も自身のバンドであるネクスト・ステップと精鋭集団ウェスト・コースト・ゲットダウンの面々を従えた2枚組だ。ブルーナー兄弟やテラス・マーティン、ブランドン・コールマン、マイルス・モズリーといった豪華プレイヤー勢に注目が行きがちだが、根幹にあるのはカマシのサックス奏者としての強靭なプレイに他ならない。
bounce (C)藤堂輝家
タワーレコード(vol.416(2018年6月25日発行号)掲載)