英国ジャズ・シーン新世代の旗手としての立場をすっかり確立させた、サックス奏者ビンカー・ゴールディングとドラマーのモーゼス・ボイドによるデュオが、1年ぶり3作目となるニュー・アルバム『アライヴ・イン・ジ・イースト?』を完成させた。
2015年のデビュー作『Dem Ones』で、MOBOアワーズ 2015「ベスト・ジャズ・アクト」をはじめ、ジャズFMアワーズ 2016「英国年間ベスト・ジャズ・アクト」、「年間ベスト・ブレイクスルー・アクト」、「パーラメンタリー・ジャズ・アワーズ 2016(年間最優秀新人)」など、数々の受賞で頭角を現した同デュオ。
通算3枚目となる本作には、ゲストにユセフ・カマールなどで活躍するドラマーのユセフ・デイズや、ハープ奏者のトリ・ハンズリー、大御所サックス奏者のエヴァン・パーカー、トランペット奏者のバイロン・ウォーレンなど、現UKジャズ・シーンの重要人物たちが参加している。
発売・販売元 提供資料(2018/06/01)
ザラ・マクファーレン作品で活躍するドラマー、モーゼス・ボイドとサックス奏者ビンカー・ゴールディングスのデュオ3作目。どちらも南ロンドン辺りを掘っていればそこかしこで見かける重要なプレイヤーだが、双方のメインプロジェクトと位置付けていいだろう。基本はドラムとサックスのデュオだが、前作からユセフ・デイズや、あのエヴァン・パーカー(!)までUKジャズの尖った歴史を紐解くような面々が参加。嵐の様なインタープレイでフリーとブレイクビーツを往来し、それはシーンの縮図の様でもある。終始ゾクゾクさせる緊張感と、それが眼前で繰り広げられているような密室感も素晴らしい。
intoxicate (C)片切真吾
タワーレコード(vol.135(2018年8月20日発行号)掲載)