2015年にリリースした「Simple Songs」が海外音楽メディアでベスト・アルバムに選ばれるなど、新たな音楽ファンを獲得し、そのキャリアを通して名作を作り続ける音楽の申し子ジム・オルーク。2018年、またも傑作と呼ぶにふさわしい最新作が到着した。「sleep like it's winter 」と名付けられた今作は、44分1曲のインストゥルメンタル・アルバムとなっている。この数年で録り貯めたシンセ、ペダルスティール、ピアノなどの音を、精緻を極めた工芸品のように一つの作品へとまとめた今作は、顕微鏡を覗き込み、かすかな輝きさえも掴み損ねないように、ある決定的な瞬間を44分の時間で表現しているかのような作品へと仕上がっている。 (C)RS
JMD(2018/06/06)
高く評価された2015年の歌モノ盤『Simple Songs』以来となるニュー・アルバム。今回は1曲44分のインスト作品ということで、『Bad Timing』や『The Visitor』を連想するファンも多いはず。シンセやペダル・スティール、ピアノなど、ここ数年に録り溜めた音の断片を繋ぎ合わせ、繊細な音響空間を作り上げています。ときおり雅楽のように聴こえる瞬間があり、枯渇知らずのアイデアにまたしても感服。
bounce (C)中井幹代
タワーレコード(vol.416(2018年6月25日発行号)掲載)
SSW~電子音楽~インプロヴィゼーション etc.あれだけ多種多様な作品とその多くが非常にエクスペリメンタルでありながらポップな存在感を湛えるジム・オルーク。彼ほど既存のカテゴライズに当てはめる事が出来ない音楽家は居ないであろう。本作もまた、ジャンル=ジム・オルークとしか言い様が無い素敵な作品を届けてくれた。44分1曲のインスト作品だが、この数年で録り貯めたという様々な演奏を精緻に織り重ねたという、旋律~音響~即興の合間を抜う様な音楽は他では体験出来ないもの。機微に耳を傾けるも、アンビエント的に接するも聴く度に新たな発見を感じさせる作品。
intoxicate (C)池田敏弘
タワーレコード(vol.134(2018年6月20日発行号)掲載)