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フォーマット 書籍
発売日 2018年04月04日
国内/輸入 国内
出版社音楽之友社
構成数 1
パッケージ仕様 -
SKU 9784276139091
ページ数 656
判型 B5

構成数 : 1枚

日本語版の翻訳に寄せて=トレヴァーセンとマロック(根ケ山光一訳)
訳者まえがき=根ケ山光一
原著者の所属と経歴/凡例
第1章 音楽性:生きることの生気と意味の交流(マロックとトレヴァーセン/今川訳)
第1部 音楽性の起源と精神生物学[序文](マロックとトレヴァーセン/根ケ山訳)
第2章 根,葉,花,または幹:音楽の起源と適応的機能について(エレン・ディサナーヤカ/根ケ山訳)
第3章 音楽と人間形成―認知記号論の視点から(創造的仮説の探求)(ペール・オーエ・ブラント/小川容子訳)
第4章 ヒトの固有性に関する儀礼的基盤(ビョルン・マーカー/高田明訳)
第5章 音楽の進化:理論,定義,エビデンスの性質(イアン・クロスとイアン・モーリー/渡辺久子・香取奈穂訳)
第6章 音楽的表現におけるタウ(デイヴィデッド・N.リーとベンジャマン・シェーグラー/蒲谷訳)
第7章 音楽における情動の神経科学(ヤーク・パンクセップとコルウィン・トレヴァーセン/福山寛志訳)
第8章 脳と音楽,そして音楽性:神経画像法からの推論(ロバート・ターナーとアンドレアス・A. イオアニデス/源健宏訳)
第2部 乳児期における音楽性[序文](マロックとトレヴァーセン/志村訳)
第9章 乳児のリズム:音楽的コンパニオンシップの表現(カタリナ・マゾコパキとジャニス・クジュムザキス/坂井康子訳)
第10章 情動と意味を共有する声:スコットランドと日本における幼い乳児とその母親(ニキ・パワーズとコルウィン・トレヴァーセン/岸本健訳)
第11章 乳児の発達における「音楽」と「遊び歌」:解釈(パトリシア・エッケダールとビョルン・マーカー/山本寿子訳)
第12章 早期のトリオ:乳児間の意味の発生における音と動きのパターン(ベンジャミン・S.ブラッドリー/石島このみ訳)
第13章 対乳児発話と会話関与の音楽性における母親のうつの影響(ヘレン・マーウィックとリン・マレー/麦谷綾子訳)
第14章 帰属の即興的音楽性:母子音声相互作用における反復と変奏(マヤ・グラティエとジゼル・アプター=ダノン/嶋田容子訳)
第3部 音楽性と癒し[序文](マロックとトレヴァーセン/羽石英里訳)
第15章 紛争中・紛争後の地域の子ども達のための音楽:精神生物学的アプローチ(ナイジェル・オズボーン/沼田里衣・渡部基信訳)
第16章 コミュニカティヴ・ミュージカリティとコラボレイティヴ・ミュージキングのはざまで:コミュニティ音楽療法からの展望(メルセデス・パヴリチェヴィックとゲイリー・アンスデル/沼田里衣訳)
第17章 マインドフルネスと意味の発達を支えること:性的虐待を受けた児童対象の音楽療法における臨床的手法(ジャクリン・ロバーツ/岡崎香奈訳)
第18章 踊るという人間の本性:美的コミュニティ理論に向けて(カレン・ボンド/田原ゆみ訳)
第19章 音楽における療法的対話:自閉症スペクトラムとレット症候群の子どもにおけるコミュニケーションとしての音楽性を育む(トニー・ウィグラムとコハヴィト・エレファント/羽石英里訳)
第4部 子どもの学びにおける音楽性[序文]マロックとトレヴァーセン(今川恭子訳)
第20章 話すことと聴くことにおける音楽性:学びの環境としての教室談話の鍵(フレデリック・エリクソン/市川恵訳)
第21章 子どもの音楽性と音楽学習にみる自発性(ニコラス・バナンとシェ...

  1. 1.[書籍]

本書の原著者マロックは、トレヴァーセンが録り貯めた母子相互作用の音源から、音声分析の手法によって「コミュニカティヴ・ミュージカリティ(絆の音楽性)」という心理学上の概念を創出した。マロックが注目した26秒のやりとりのなかで、母子は規則正しいパルスを共同生成し、その音声を注意深く同期もしくは交代させながら、優雅なナラティヴを形成した。そして、このような共同生成は、人が経験しうる多くの事象に潜んでいる。本書は、人のコミュニケーションのなかに存在する、生まれながらの音楽性の生物学的ないし心理学的な起源や、発達、癒しの機能について、さまざまな研究分野から考察する全27の論考より構成されている。全体は5部に分けられ、第1部は音楽性の起源と精神生物学、第2部は乳児期における音楽性、第3部は音楽性と癒し、第4部は子どもの学びにおける音楽性、第5部は演奏行為における音楽性を扱う。執筆者の所属はイングランド、スコットランドのほか、フランス、ポルトガル、スウェーデン、ノルウェー、デンマーク、スイス、ドイツ、ギリシャ、アメリカ、オーストラリア、と欧米各国に及ぶ。それぞれが各分野において独創的かつ学際的視点で研究を積み上げてきた研究者であり、音楽の喜びが生まれた直後から備わる人間特有の才能であり、集団の文化的意味の創造や言語の発明とその効果的利用にとって基本的重要性を持つという認識を共有している。原著、原論文発表以来、「コミュニカティヴ・ミュージカリティ」は多くの研究者の共感を得て、発達心理学のみならず、文化人類学や言語学、脳科学、神経科学、周産期精神医学、小児精神保健学、PTSD/被虐待児音楽療法、音楽療法論、障害児教育、舞踊学、教室談話、教育法、即興、時間生物学、演奏行為論など、さまざまな学問領域でその検証、敷衍が展開されてきた。本書はその視界を一望するもので、翻訳が待たれていた。

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