アンビエントというコンセプトと視覚要素との融合。インスタレーションに提供してきた新曲・未発表曲を含む豪華ボックスが遂に姿を表す。6枚のCDのうち半数は未発売音源であり、他も今となっては手に入りにくい稀少な音源ばかり。イーノと長くコラボしてきたニック・ロバートソンがデザインする装丁、初公開含む写真とイーノ本人による解説を収めたブックレットなど、眩暈のするほどの豪華さにただただ敬服するばかり。2018年最大にして最高のリリースになると確信している…のは僕だけではないはずだ。
intoxicate (C)板谷祐輝
vol.133(2018年4月20日発行号)掲載(2018/04/20)
"音楽を動的で千変万化するもの、そして絵画を静的なものだと考えるなら、私がしようとしていることは、静的な音楽と動的な絵画を制作することだ。私はそのふたつの形で音楽の従来のコンセプトと絵画の従来のコンセプトの間に存在するスペースを見つけようとしているのだ" ブライアン・イーノ
ミュージシャン、プロデューサー、ヴィジュアル・アーティスト、思想家そして活動家であるブライアン・イーノは、1970年代初頭、まずはロキシー・ミュージックのオリジナル・メンバーとして世界的に注目された。グループ脱退後からほどなくして、高い評価を受け、影響力をもったソロ・アルバムを相次いで発表。彼の先進的なプロダクションにはデヴィッド・ボウイ、トーキング・ヘッズ、ディーヴォ、ローリー・アンダーソン、コールドプレイらとのアルバムがあり、コラボレーションの長いリストにはジョン・ケイル、デヴィッド・バーン、グレイス・ジョーンズ、ジェイムス・ブレイクとの作品が含まれる。同じように注目に値すべきものであり、しかもおそらくさらなる功績を残しているにも関わらずあまり論じられていないのが、彼のライトとヴィデオを使った視覚的実験である。これが彼の他の多くの作品を育んできた豊かな土壌であり、レコーディングよりもさらに長い期間に渡って行なわれ、ここ数十年間彼の音楽作品と同時に存在してきた。その高評価を得た作品は、ヴェネツィア・ビエンナーレやサンクトペテルブルクの大理石宮殿から北京の日壇公園やシドニー・オペラ・ハウスの帆型の屋根まで舞台にし、世界各地でその姿を見せてきた。
『ミュージック・フォー・インスタレーションズ』は、新しい曲、珍しい曲、未発表曲のコレクションであり、いずれの曲もアナログ・レコード化されるのは今回が初めて。どの作品も、イーノによって1986年から現在(そして今後)に至るまでに行なわれたインスタレーションで用いるためレコーディングされた。この期間に、彼は世界中でジェネラティヴ・ミュージックの第一人者として注目されるようになり、最高のオーディオ・ヴィジュアル・インスタレーション・アーティストのひとりとして認められている。
・6枚のCDがダイカット内袋に収容されたボックス仕様・6枚のCDには半分が未発売、残りも限られた形のみ発売の音源が収録
・64ページのブックレットには珍しい写真や初公開の写真に加え、イーノ書き下ろしの解説を収容
・ボックスのデザインはニック・ロバートソンが担当
・マット・コルトン(ロンドン/アルケミー・スタジオ)によるマスタリング(『メイキング・スペース』のみケヴィン・メトカルフェ(サウンドマスターズ)が担当
発売・販売元 提供資料(2018/03/28)
ミュージシャン、プロデューサー、ヴィジュアル・アーティスト、思想家そして活動家であるブライアン・イーノの新しい曲、珍しい曲、未発表曲のコレクション。 (C)RS
JMD(2018/03/28)