ブラジルが世界に誇る天才メロディ・メーカー:イヴァン・リンス、2014年の『AMERICA, BRASIL 』以来、約4年ぶりとなる待望の新作『CUMPLICIDADE』は名鍵盤奏者ジルソン・ペランツェッタとのデュオ作。
ペランツェッタといえば1970年代、RCAやEMI時代のイヴァン・リンス黄金期の作品を支えた名アレンジャーで、しばしばイヴァン・リンスとセットで語られるほどの最重要人物。イヴァン・リンスの音楽をともに作り上げた朋友と再びタッグを組み、往年の名曲を再演するという本作の趣旨は、イヴァン・リンス・ファン、そしてMPBファンであれば思わず快哉を叫ばずにいられない、まさに待望の内容であると言えるだろう。
"Able Alas"から始まり、"Comecar de Novo", "Setembro", "Temporal","Somos Todos Iguais Neste Noite", "Madalena", "Dinorah, Dinorah"...。名曲の連続に否が応でも気分が高揚するが、エレピと生ピアノの連弾による見事なアレンジ、そして年を重ねるごとに表現力が増している感すらあるイヴァン・リンスの歌声がまた素晴らしい。シンプルながらに過不足なく、力強くも多彩なニュアンスを伝えてくれる全13曲。ブラジル音楽ファンなら聴くほどに魅了される、新たな名盤の誕生である。
発売・販売元 提供資料(2018/04/18)
70年代のRCAやEMI時代、イヴァン・リンスの黄金期を支えた名アレンジャー、ジルソン・ペランツェッタと再びタッグを組んだ2018年新作。往年の名曲を共につくりあげた盟友とのデュオで再演するという、なんとも絶妙な企画。エレピと生ピアノによる素晴らしいアレンジと、さらに表現力を増したイヴァン・リンスのヴォーカルに往年のファンでなくとも胸がアツくなること必至!当時のニュアンスを残しつつも、決して懐古趣味になることのないアップデートされたサウンドの素晴らしさ。ブラジルが世界に誇るメロディーメイカーの過去と現在をつなぐ傑作に仕上がっている。
intoxicate (C)栗原隆行
タワーレコード(vol.133(2018年4月20日発行号)掲載)