超ニキシュの再登場。アルトゥール・ニキシュによるベートーヴェン:交響曲第5番ハ短調「運命」を収録。アルトゥール・ニキシュ指揮のベートーヴェン「運命」の演奏は日本の音楽文化萌芽に貢献し、日本初のフィルハーモニーオーケストラ創設をもたらしました。本CDではそのオーケストラの近年のライブ演奏も付録に添えています。 (C)RS
JMD(2018/01/31)
超ニキシュの再登場
今から105年前、アルトゥール・ニキシュ指揮するベルリンフィルがベートーヴェン/交響曲第5番"運命"の管弦楽による世界初録音を行ないました。ニキシュは作曲者の意図を越えた音楽を聴かせて、作曲者達が彼の指揮を得る事を誇りにしていた指揮者であり、その控え目な指揮はまるでオーケストラ全体が魔法に懸けられた様に楽員から絶妙な響きをかもし出し、ある時はうっとりした響きで、またある時は会場の全てが光彩を放つ様な響きで、聴衆を恍惚と興奮の坩堝にいざないました。この頃はマイクロフォン発明以前なので、逆メガフォンで集めた音で針を振動させて円盤に音溝を刻む機械式録音が行われており、作られたレコードは何れも雑音の中から何とか演奏の輪郭が判るレベルのものでした。1990年代中頃にこのレコードの転写CDで私が耳にしたニキシュ指揮のベートーヴェン/"運命"も、録音状態は例外ではなかったのですが「試練に苦悩し克服していく内面的な戦い」が崇高に表現されており、折柄"雑音に埋もれたボイスレコーダの解析"を契機に取り組み始めた"GHA音響信号修復"の研究を活用して『ニキシュ/ベルリンフィルによる音楽史上の記念碑を私の手で修復する』との決意を固めました。そして2008年になって1913年録音のニキシュ/ベルリンフィルによるベートーヴェンの"運命"とその後に録音されたSPレコード数枚が入手できて、2009年にはそれらの音源によるGHA-CD"SuperNikisch"[超ニキシュ]を制作しました。このCDでは雑音が十分に低減できてニキシュの音楽が蘇ったのですが、原録音の音質が非常に劣悪なのに加えて100年経過したレコードの盤面損傷が酷く、修復音質には改善すべき箇所が残っていました。爾来9年間、SPレコードからの採音方法、GHA処理プログラムと整音手法の改良を続け、更に"GHA音響信号修復"の研究で知遇を得たベルリンフィルのドラマトウルクを務められたグリュネヴァルト博士やヨーロッパの著名な録音研究者の助言も戴いて、そして2008年になって1913年録音のニキシュ/ベルリンフィルによるベートーヴェンの"雑音のないAMラジオ放送"と同等の音質に到達する事が出来ました。ニキシュ指揮のベートーヴェン/"運命"の演奏は日本の音楽文化萌芽に貢献し、日本初のフィルハーモニーオーケストラ創設をもたらしました。本CDではそのオーケストラの近年のライブ演奏も付録に添えています。(1/2)
発売・販売元 提供資料(2018/01/29)
制作者紹介
<村岡輝雄>
1967年九州大学大学院を修了。日本ビクター(株)研究所・音響情報研究室長、武蔵工業大学・教授、東京大学先端科学技術研究センター・客員研究員を歴任し、2018年現在は日本女子大学文学部・客員研究員として"音文化"の研究に従事している。高校時代よりオーディオに取り組み、大学・大学院で"ディジタル音響合成"の研究に従事して日本ビクター(株)に入社、研究所に所属して"アナログレコードの研究"と"高臨場感録音"の研究に専念して前者で工学博士を取得し、後者では録音スタジオに出向いて基礎実験と併せて実際の録音に参加して録音専門職"トーンマイスター"の録音技量を完全にマスターした。ディジタルオーディオ時代以降は大学時代の"ディジタル音響合成"の延長として"音響情報処理研究"に従事して非調和周波数解析GHAに着目、日本ビクターから大学に移った後もその研究を続けて実用化に成功した。2007年より"GHAの雑音除去機能"とスタジオで習得した"音楽録音技術"を駆使して損傷した歴史的なレコードの修復を行ない、自主制作で60タイトルを越えるGHARestorationCDをリリースして今日に至っている。(2/2)
発売・販売元 提供資料(2018/01/29)