30年以上に渡りUSインディーシーンの第一線で活躍する米ニュー ジャージー州ホーボーケン出身のカリスマバンド、ヨ・ラ・テンゴによる通算15作目の新作が到着!
カバーアルバムとなった前作『Stuff Like That There』(2015年作)から2年振り、さらにはオリジナル・フルア ルバムとしてはトータスのジョン・マッケンタイアをプロデューサーに迎え話題となった『FADE』(2013年作)以来、実に5年振りとなる全世界待望の1枚。
外部のエンジニアを起用せずに全曲セルフ・プロデュースとなった本作には、1971年にリリースされたファンクの名盤、スライ&ザ・ファミリー・ストーンの『There's A Riot Goin' On』(邦題:暴動)と同名のタイトルを採用し、この混沌とした時代にある怒りと絶望に取って代わるものを音楽を通じて提案したいというバンドから世界へ向けた強いメッセージが込められている。
これぞヨ・ラ・テンゴの醍醐味と言える温かみのある大作を予感させるインストナンバー「You Are Here」(M-1)で幕をあけ、1度聴くとその優しいメロディーが頭から離れず思わず何度もリピートしたくなる「Shades of Blue」(M-2)や、繊細で奥行きのあるサウンドに囁くようなヴォーカルがドリーミーさを演出する「She May,She Might」(M-3)から、不穏な雰囲気とサイケデリックなリズムに時折入るノイズが見事にマッチした「Out of the Pool」(M-14)など、幅広い領域を網羅する冒険的な内容に完成した。
・日本盤CDにはオリジナルステッカー封入
発売・販売元 提供資料(2018/01/24)
31年ぶりのセルフ・プロデュース作品。71年発表のスライ&ザ・ファミリー・ストーンの名盤と同名の表題を掲げているのは、当時の混沌とした社会情勢に現代の空気が重なったからだとか。ただし、不安を煽るのではなく、柔らかなノイズや優しく語りかけるような歌で人々の傷を癒そうとする感じがヨラらしいところ。前作がアコースティック主体だったので、音響処理を駆使したプロダクションもファンとしては嬉しいです。
bounce (C)中井幹代
タワーレコード(vol.413(2018年3月25日発行号)掲載)