新世代ジャズ界気鋭のトランペッター:キーヨン・ハロルド、レガシー・レーベルからの作品。過去彼が参加したアルバムはマックスウェルからキース・リチャーズまで100枚以上。ツアーではコモン、ビヨンセ、エミネム、ディアンジェロ、エリカ・バドゥ等と共演、大物からのラヴコールが絶えない。また2016年に公開された伝記映画『マイルス・アヘッド』でマイルスを演じた俳優ドン・チードルの演奏部分はキーヨンが担当。ロバート・グラスパーが音楽監督に名を連ねたサントラはグラミー賞を受賞した。D・チードルはキーヨンを"音の魔術師"と称賛、MusicianとMagicianを合わせた造語は本作のタイトルとなった。アルバムにはグラスパーを始め、ゲイリー・クラークJr, ビラル、ビッグ・クリット、ファラオ・モンチ、クリス・デイヴ、テラス・マーティン、ジェームズ・ポイザー等シーンを牽引する面子が参集。 (C)RS
JMD(2017/08/29)
ディアンジェロ率いるヴァンガードの一員であり、多くのアーバン作品に参加してきた気鋭ジャズ・トランペッターによる注目の新作。そんな経歴を反映した内容で、ビラルやビッグ・クリット、ファロア・モンチ、ゲイリー・クラークJrら豪華客演陣のパフォーマンスを演奏で鋭く煽りつつ、自身が主役を張る。トランペットのキレと熱量をもっとも味わえるのはゲストなしの不穏なビートで吹きまくる"Bubba Rides Again"か。
bounce (C)池谷瑛子
タワーレコード(vol.408(2017年10月25日発行号)掲載)
2016年封切された映画「Miles Aheadマイルス・デイヴィス空白の5年間」で主演ドン・チードルの演奏部分を担当し、その際に彼の人柄、音楽性に大いに共鳴したドンから贈られたニックネーム(ミュージシャンとマジシャンの造語)がタイトルとなっている。キーヨンの思想や観念が表出した音には、社会へ疑問や怒り、そして愛が詰められている。それは時にメロディで語り、ブレスノイズで嘆く。そう感じるのは、トランペットという楽器の持つ"語る力"が余すことなく引き出されているからこそ。マイルスが持ち合わせていたものをきっと彼も持っているかもしれない。幾度となく聞き直す価値のあるアルバムだと思う。
intoxicate (C)タナカシンメイ
タワーレコード(vol.130(2017年9月25日発行号)掲載)