世界中のティーンが熱狂している平均年齢21歳の米人気No.1ダイナマイト・ガールズ・グループ=フィフス・ハーモニーが、2016年12月の、カミラ・カベロの脱退以降、4人新体制となってから、3枚目となるオリジナル・アルバムを発売。今作は、自身もプロデュースに携わり、コーラス・ワークを自分たちで考え、これまでで一番ハーモニーが豊かなアルバムに仕上がっている。 (C)RS
JMD(2017/07/29)
カミラ・カベロ脱退後、初めての新作。大ヒット曲"Work From Home"をフィーチャーした『7/27』(2016年)によって人気を決定付けたのも束の間、4人は今後の命運を分ける大きな岐路に立たされることとなったわけだが、カミラが去ってもグループ名を変えることなく、あえてこの局面でセルフ・タイトルのアルバムを出してきた気概にまずはグッときてしまう。ゲストを先行カット"Down"でのグッチ・メインのみに留めているあたりからも、本作に賭ける彼女たちの意地を垣間見ることができるだろう。もっとも、スクリレックスやステレオタイプスらのプロデュース曲を含むアルバムの内容自体に気負いや悲壮感のようなものは一切ない。とりわけ耳を引くのが先述した"Down"をはじめ、"He Like That"や"Make You Mad"といったカリビアン・ヴァイブ溢れるトロピカル・ハウス以降のダンス・チューン。ラストのバラード"Bridges"では、〈壁ではなく橋を作ろう〉と反トランプのメッセージを掲げている。
bounce (C)高橋芳朗
タワーレコード(vol.407(2017年9月25日発行号)掲載)