21世紀の器楽・歌・フォークロア。南米音楽の<いま>を象徴する3人の作編曲家・マルチ奏者が集結、それぞれの楽曲を中心に、完全トリオ編成で録音した作品。<quiet border>第10弾。ブラジル・アルゼンチン両国、ひいては南米大陸におけるもっとも先進的な作編曲家にして、複数の楽器を操るマルチ奏者・シンガーでもある三人の音楽家が一堂に会した奇跡。クラシック~ジャズ~ロック等さまざまな音楽のエッセンスを自然に取り入れつつ、母国のフォークロアに21世紀の息吹を伝える活動を繰り広げてきた三人は、ここ日本でもそれぞれの名義による来日ツアーの成功により、このジャンルにおけるトップクラスの人気・実力を誇ってきた。近年、個別に共演の機会を得てきた三人が、4年近くの計画・準備期間ののち、2017年3月ブラジル・サンパウロに結集。インスト系の先鋭的なプログラムで人気のスポット<Jazz B>にてトリオ編成でのライブを行い、アンドレ・メマーリ所有のスタジオにて一週間をかけて録音。それぞれが多数の楽器を駆使しつつ、そのすべてを三人の演奏により収録した。各人の代表曲に新曲を加えたレパートリー、そして両国の音楽的交流を記録した86年の記念碑的名作『Mercedes Sosa, Leon Gieco e Milton Nascimento: Corazon Americano』からの嬉しいカヴァーM(6)(7)を含む選曲は、近年ふたたび交流を活発化させている両国の器楽系シーンの新たな転機、決定打となる一枚であり、南米大陸の音楽地図を更新する金字塔。アコースティック楽器を中心とした器楽と歌曲のクリエイションという文脈からも、その新しい潮流をリードし、南米音楽の枠を超えてさまざまな影響を及ぼしていくに違いない。
発売・販売元 提供資料(2017/08/31)
人気、実力ともに現代ブラジル最高峰のピアニスト/作曲家、アンドレ・メマーリ。現代アルゼンチン音楽界を牽引する〈アカ・セカ・トリオ〉のフロントマン、フアン・キンテーロ。そして現代アルゼンチン・ネオ・フォルクローレ・シーンの旗手であり、もはや生ける伝説のカルロス・アギーレ。南米大陸における最も先進的な音楽家である3人が、完全トリオ編成で録音したのが本作。トリオではあるが、自身の声も含む様々な楽器を各々が駆使し、色彩豊かな世界をつくりあげている。幾重にも重なった一音一音が、聴くたびに違う顔を見せ、楽曲に新たな発見をもたらしてくれる。
intoxicate (C)栗原隆行
タワーレコード(vol.130(2017年9月25日発行号)掲載)