全世界で2,000万枚のセールスを誇るThe Fugeesのリーダーにしてデスティニーズ・チャイルド大ブレイク仕掛け人(コラボ&プロデュースした デビューシングル『No, No, No, Part2』は全米チャート3位獲得)、シャキーラ(「ヒップス・ドント・ライ」)やサンタナ(「マリア・マリア」)といった豪華アーティストの大ヒット曲を多数プロデュースし、手掛けた作品の総売り上げが1億枚に及ぶ大ヒット・プロデューサー兼アーティスト=ワイクリフ・ジョン。ソロ・デビュー作『カーニバル』から20周年となる今年、彼のキャリア集大成ともいえる待望のフル・アルバムが遂に完成!クラシックからラテン、ヒップ・ホップ、ロックと様々なジャンルを横断する最新作には、夏にぴったりな強力ポップ・シングルほか、巧みなアレンジ力が炸裂する名曲ばかりが勢ぞろい。アクの強い柔軟性と絶妙なポップ・センスを操るポップ魔術師=ワイクリフがこの夏をさらに熱くする! (C)RS
JMD(2017/08/19)
フージーズの、という枕詞はまだ必要だろうか。スーパー・プロデューサー/MC、ワイクリフ・ジョン。カリブ文化の要〈Carnival〉をタイトルに冠したのは、97年のソロ・デビュー作、2007年の〈Vol.II〉、そしてピッタリ10年後の本作で3度目。副題が〈あるレフジーの転落と再起〉。〈転落〉は2010年以降の迷走を指す。資格がないのに故郷ハイチの大統領に立候補しかけて恥をかき、ハイチ大地震のチャリティーでは脱税疑惑。それらをくぐり抜けて出てきたサウンドは突き抜け、リリックは自虐気味。多彩なゲストの中で有名なのはエミリー・サンデーとコメディアンのDL・ヒューリーくらいだが、逆にプロデューサーとしての真価が際立った。持ち味の華やかなサウンドに渋みが加わり、終わらないカーニヴァルに招かれたみたい。ランチマネー・ルイスとの"What Happened To Love"、アフロビートの"Fela Kuti"など踊れる曲で盛り上がった後、ラストのゴスペル調〈カルチャーがあるから生き延びられた(意訳)〉で泣かされる。
bounce (C)池城美菜子
タワーレコード(vol.407(2017年9月25日発行号)掲載)