ベテラン・ドラマー、ウォルフガング・ハフナーの新作。ジャズに限らず、ロックやポップス、またクラブ・ミュージックのフィールドでも人気があり、リーダー作も多種多様だが、前作『Kind of Cool』からはアコースティックに回帰。今作も、ピアノ、トランペット、ギター、ヴィブラフォンを加えたアコースティック・セクステットだ。ピアノには日本でも人気の高い、ヤン・ラングレンが参加している。タイトルの通りスペインを題材にした作品で、曲は、スペインを象徴する"エル・ヴィート"アランフェス交響曲"また"アルハンブラの思い出"アラビア風奇想曲"といった有名曲を始め、現代フラメンコの人気奏者ヴィセンテ・アミーゴの楽曲、そして、スペインの文化に思いをはせたハフナーやメンバーによるオリジナルもまじえた13曲。しかし、メンバーはドイツとスウェーデンのミュージシャン。情熱的な中にもヨーロピアン・ジャズ的な、クールさと透明感があり、異なる特色が融合された興味深いサウンドとなっている。特に、メンバーの共作によるオープニングは、ハンド・クラッピングもフィーチャー。短いながらに、スパニッシュの情熱的なフレーズやリズムと、ジャズ的即興がクロスオーバーし、この作品のプロローグにふさわしい演奏。また、アランフェスやアルハンブラといった哀愁たっぷりの楽曲の数々も、独特の洗練されたサウンドが魅力になっている。そして、気になるのが12曲目の"Spain"だ。いわずと知れたオリジナルはトリッキーなリズムのエキサイティングな曲というイメージだが、ここではバラードになり、メロディの美しさがより際立ち、北欧的なサウンドが感じられる。スペインを鍵に多様なヨーロッパの文化が交わった実にACTらしい一作!ドラマーとしてのみならず、プロデューサー、アレンジャーとしてのハフナーの才能にも注目です。
発売・販売元 提供資料(2017/06/26)