The Feel Good Agenda Vol.1

2000年当時にはビルボード・ホットR&B/ヒップホップ・ソングス・チャートにて驚きの6週連続1位のメガ・ヒットを打ち立てたカール・トーマスの出世作にして、00年代そのものを代表するR&Bクラシックとして今も燦然と輝く名曲"I Wish"を手がけ一躍トップ・プロデューサーとして名乗りを上げたこの男、マイク・シティ !

その後も数々のリミックス含め、クラブ・アンセムとなったサンシャイン・アンダーソン"Heard It All Before"(なんとこちらは15年越しに、ブランディとのデュエット・ヴァージョンが発見され、マイク・シティ自らオフィシャルに(!?)リーク !) をはじめ、ソウル/R&Bマナーなソング・ライティングをトレード・マークにブランディ、リアーナ(アルバム「A Girl Like Me」(2006年)のプロデュース)、アンソニー・ハミルトン(アルバム
「Back to Love」(2011年)のプロデュース)、アンジー・ストーン、ジェイミー・フォックスら名だたるトップ・シンガーから引っ張りだこの仕事振りで、R&Bのみならず、ポップ・シーンでも、その才能を振い続けてきましたが、近年はダンス・ミュージック・シーンにおいてもアグレッシヴな活動を魅せる彼が、これまで手掛けた超豪華シンガーにホットなラヴ・コールを贈り、迎え制作されたアルバム「The Feel Good Agenda Vol.1」を発表 !

レジェンド、ダニー・ハザウェイの娘にして数々の名曲を残し、なんと3年連続グラミー賞を受賞(!)したレイラ・ハサウェイ、近年ではロバート・グラスパー「ブラック・レディオ2」に参加した他、カニエ・ウエスト、J・ディラらとのコラボで知られるデトロイト随一のシンガー、ドゥウェレ、"ヴォイス・オブ・インコグニート"ことメイサ、シャンクス&ビッグフットのヴォーカルとしても知られUKガラージ・シーンには欠かせないシンガーであるテリー・ウォーカー、さらにドクター・ドレー、アッシャー、モブ・ディープら錚々たるアーティストのアレンジャーとしても活躍するシンガーソングライターでもあるクリスタル・ジョンソン、そして"I Wish"でのゴールデン・コンビ再び、カール・トーマス、元夫の故ノトーリアス・B.I.G.の未発表ヴァースをフィーチャーしたデュエット・アルバム「The King & I」をリリースしたフェイス・エヴァンス、リック・ロスがローンチした<メイバック・ミュージック・グループ>の第一弾女性アーティストとして今後の活躍に期待が高まるティードラ・モーゼスら、超が付く豪華メンツが終結 !

R&Bプロデューサーとしての実績は言うに及ばず、近年はルーツのハウスに回帰してシンガーとして活動するマイク・シティ(名前もテン・シティから付けたそう)。2016年はセローンとのコラボも実現させていたが、カール・トーマスやレイラ・ハサウェイら縁深い顔ぶれを従えたこのソロ作も全編が流麗なディープ・ハウス～ガラージ仕様だ。フェイス・エヴァンスやドウェレ、メイザらの対応力がとりわけソウルフルに煌めく。
bounce (C)出嶌孝次